Webマーケティング戦略立案の基本的な考え方と流れを解説
最終更新日:2024/10/22Webを活用したマーケティング活動を検討するときは、「その活動を通じて何を達成するのか」「そのためには何をすべきか」といった戦略を、綿密に立てることが大切です。ただ、具体的にどのように戦略を立てればよいのか、わからない方も少なくないでしょう。
ここでは、Webマーケティング戦略を立案するうえで必要な考え方と、戦略を立てるときの流れやポイントをまとめてお伝えします。
目次
Webマーケティングの戦略立案に必要な考え方
Webマーケティングの基本は、まず「目的や目標を明確にすること」から始めます。そのうえで、目的や目標を達成するために必要な施策やツールを選んで実行し、そこから得られたデータを「分析・検証」しながら改善を繰り返すのが、基本的な考え方です。
本記事では、Webマーケティング戦略の基本的な考え方について深掘りしていきます。
目的や目標を明確にする
ひとくちにWebマーケティングといっても、自社の目的や目標によって施策や使用するツールは異なります。このため、最初に「Webマーケティングの目的」や「達成したい目標」を明確にすることが、成功への早道です。
例えば、「Webからの問い合わせを月30件に増やす」「リード獲得数は月10件」「認知度の拡大」など、経営課題にあわせて目的や目標を設定します。
具体的な目的や目標を決めるには、「自社の課題は何か」という現状分析をすることも大切です。市場調査や競合分析など、自社を取り巻く環境を客観的に整理することで、現実的な目標を立てやすくなります。
顧客のベネフィットを明確にする
Webは、ユーザーが抱える悩みを解決する際に利用されるメディアです。そのため、自社の商品やサービスを探しているのは「どんな人」で「どんな課題を抱えているか」を把握することも、戦略を考えるうえで重要なポイントになります。
これを明確にする方法として、「ペルソナ」の作成が有効です。最近顧客になった企業などにアンケート調査やヒアリングを実施して、顧客のニーズや課題、自社との接点などを確認しましょう。
また、自社の商材が顧客に与えるベネフィットやメリットを明確にし、自社の強みとしてWebマーケティング戦略に含めます。
PDCAを繰り返す
Webマーケティングには、「これをすれば確実に成果が得られる」といった正解がありません。そのため、立案した戦略の実行後も得られたデータを分析し、改善しながら目的や目標の達成を目指します。つまり、「PDCA(計画・実行・評価・改善)を繰り返しながら正解に近づけるのがWebマーケティング戦略の鉄則」だと理解することも、大事な考え方です。
その際に、上述した「目標を明確にする」ことが重要になってきます。具体的な数値目標を立てておけば、途中で達成度合いを把握しやすくなり、達成していない項目があれば原因追及と改善策の検討といった軌道修正がしやすくなります。
Webマーケティング戦略を立てる流れとポイント
上述の考え方をもとに、Webマーケティング戦略を立てるまでの流れを、具体的に解説します。
目標値を決める
Webマーケティングで達成したい目標を決める際には、数値目標も設定しましょう。例えば、「新規顧客を100件増やす」「リピーターからの売上を1,000万円増やす」など具体的な数値で表すと、達成度合いを確認しやすくなります。
なお、目標値は最終目標だけでなく中間目標も決めておくと、軌道修正がしやすくなります。進捗具合を「見える化」するうえでも、KPI(重要業績評価指標)やKGI(重要目標達成指標)を設定しましょう。
※KPIやKGIの基本的な知識や設定方法は、以下の記事で詳しく解説します。
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現状を把握する
戦略を立てる際には、「自社を取り巻く現状を把握すること」も大事です。競合他社や潜在ニーズなどの調査を行ったうえで、「自社の商材の強みは何か」「どれだけのニーズがあるのか」などの現状を明確にします。
この作業を行ううえで、「3C分析」というフレームワークの活用も一手です。「Customer(顧客・市場)」「Competitor(競合)」「Company(自社)」という3つの視点から、市場全体の動きや自社の強み、競合他社がやっていないことなどを把握しやすくなります。
※3C分析については、以下の記事で詳しく解説します。
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【h4】競合他社のリサーチについて
競合他社を分析する目的の一つが、「自社が勝てる領域を見つけること」です。
例えば、検索結果で上位表示される会社では「どんな商材を展開しているのか」を調べることで、他社では扱っていない商材などの情報を収集できます。また、「Webサイトの構成やデザインで工夫しているポイント」や「問い合わせまでの導線設計」なども、Webマーケティング戦略の立案に役立つでしょう。
ほかにも、サービス内容やサポート内容といった他社の戦略を知ることで、自社の強みや特徴、Webマーケティングで成果が出ている理由などを把握しやすくなります。
※競合分析に役立つおすすめのフレームワークやツールについては、以下の記事で詳しく解説します。
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弱みや問題点を洗い出す
自社の現状を把握することにより、強みだけでなく「弱みや問題点」を発見するケースもあります。これらを見つけたら「なぜ問題が起きるのか?」と原因を究明して改善するのも、大事なポイントです。
その際に、「5Why」というフレームワークを活用するのが有効。これは、特定の問題に対して「なぜ?(Why?)」を5回繰り返すことで、根本的な原因を突き止めるという方法です。弱みや問題点の原因を特定したら、優先的に改善すべきポイントかも含め検討しましょう。
なお、5Whyのフレームワークは、Webマーケティングの施策実行後に分析や改善策を考えるうえでも活用できます。
■5whyの一例
ペルソナを設定する
自社の商品やサービスを必要としている具体的な人物像を描くために、「ペルソナの設定」も重要です。ペルソナとは、自社の理想のユーザー像のこと。業種や役職、抱えている課題や、その課題を解決するために拠出できる予算感などを明確にすることで、「どのような切り口からアプローチすればよいか」といった戦略を立てやすくなります。
※ペルソナの作り方や作成するときの注意点などは、以下の記事で詳しく解説します。
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カスタマージャーニーを作成する
ペルソナの設定とあわせて、カスタマージャーニーも作成しましょう。カスタマージャーニーとは、ペルソナで設定した人物が自社の商品やサービスを認知してから購入に至るまでのプロセスを可視化したロードマップのことです。
これを作成することで、ユーザーごとの段階(認知・情報収集・検討など)が把握でき、次に取るべきアプローチ方法や必要な施策を検討しやすくなります。また、施策に改善が必要なときも「どのプロセスにボトルネックがあるのか」というポイントを発見しやすく、原因追及や改善策の検討にも有効です。
※カスタマージャーニーの作り方や作成するときのポイントなどは、以下の記事で詳しく解説します。
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施策を決めて実行する
ここまでの段階を踏んでから、Webマーケティングの施策や使用するツールを選びます。ペルソナの人物像に刺さりそうな施策や、カスタマージャーニーの想定に必要なツールなどを十分に検討し、戦略を立てていきましょう。
実行したい施策が複数あるときや、予算や人員の関係で複数の施策を実行できないときは、施策に優先順位を決めるとよいでしょう。例えば、新規獲得が主目的であればSEO対策や広告運用などを優先的に進めたり、リピーター獲得が主目的の場合はメルマガやウェビナーを実施したりと、目的やターゲットにあわせて検討することも大事です。それぞれの施策やツールには特徴がありますから、それを理解したうえで自社に適したものを選びましょう。
また、施策を実行する前には、スケジュールと担当者を決めることも大事です。「いつ、誰が、どの施策を進めるか」といった全体のスケジュールを決めたうえで実行しましょう。
※Webマーケティングの施策の種類やツールについては、以下の記事で詳しく解説します。
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施策実行後の分析・検証がWebマーケティング成功のカギを握る
Webマーケティングを成功に導くには、施策実行後の効果測定や分析・検証、改善といったPDCAを回すことが、非常に重要です。Webマーケティング戦略には、施策実行後の以下の対応も計画に含めましょう。
効果測定と原因追及
実行に移した施策は、流入数やコンバージョン率などの効果を定期的にモニタリングします。その際に、事前に設定した目標達成度合いと比較することも大事なポイントです。目標を下回る施策には原因を追究し、改善することが求められます。このように施策を実施したら、「効果測定→分析・検証→原因の特定→改善」というサイクルを回せる体制も整えましょう。
顧客ニーズの変化や競合の動きも定期的にチェック
目標を達成できない原因は、自社のWebマーケティング施策だけにあるとは限りません。顧客のニーズが変化していることも考えられますし、競合他社が新たなWebマーケティング戦略を実行した可能性もあります。
つまり、Webマーケティング戦略も定期的に見直すことが大切です。例えば、右肩上がりだった施策が下がり始めたら、競合他社の動向をチェックして対策を検討するなど、必要に応じて戦略を見直します。これも「実行から1年ごとに見直す」など、あらかじめ計画に含めておきましょう。
まとめ
Webマーケティングの基本は、「トライ&エラーの繰り返し」です。成功している施策はさらなる躍進を目指す一方で、効果の薄い施策は原因を追究して改善することが求められます。こうした改善をすぐに反映できることもWebマーケティングのメリットですから、気づいた点があれば社内で検討し、PDCAサイクルを回していきましょう。
ただ、早急に改善するには施策実行後の動向を逐一モニタリングする必要がありますし、そのための人材の確保も求められます。社内に適任者がいないときは、Webマーケティングの専門家に依頼するのも一手です。
クラウドサーカスでは、BtoBの中小企業のお客様を中心に、さまざまなWebマーケティングサービスを展開しています。Webサイトの制作以外にも困りごとがありましたら、お気軽にご連絡ください。Webマーケティングのプロが、戦略立案から改善まで適切なアドバイスをさせていただきます。
この記事を書いた人
クラウドサーカス株式会社 マーケティンググループ
CMS BlueMonkeyメディア編集部
プロフィール
2006年よりWeb制作事業を展開し、これまで2,300社以上のデジタルマーケティング支援を行ってきたクラウドサーカス株式会社のメディア編集部。38,000以上のユーザーを抱えるデジタルマーケティングツール「Cloud CIRCUS」を提供し、そこから得たデータを元にマーケティング活動を行っている。SEOやMAツールをはじめとするWebマーケティングのコンサルティングが得意領域で、目的から逆算した戦略的なCMS導入・Web制作や運用のサポートも実施。そこで得たノウハウや基礎情報を、BlueMonkeyのコラムとしても発信中。
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