ROASとは?意味や目安、求め方や役立つツールをわかりやすく解説!
最終更新日:2024/10/22ROAS(Return On Advertising Spend)とは、広告費に対する収益を測定する指標を指します。広告費に対してどれだけの売上が得られたかを計算する重要指標であり、ROASを重視する企業は近年増加しています。
本記事ではROASの意味や、混同されやすい「ROI」や「CPA」との違い、算出方法などをわかりやすく解説します。最終章では、ROASに役立つツールも紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
目次
ROASとは
ROASの概念と、混同されやすい「ROI」や「CPA」との違いについて解説します。
ROASの意味
ROAS(Return on Advertising Spend)は、広告費に対する収益を測定する指標で、日本語では「広告の費用対効果」や「広告の回収率」などと呼ばれます。広告キャンペーンがどれだけの収益を生み出したかを評価するために使用され、特にデジタル広告の効果を数値で確認するために重要な役割を果たします。
ROASを算出することで広告費1円あたりの収益を把握できます。ROASが高いほど、広告費の投資効果が高いことを示しており、逆に低い場合は、広告運用の効果があまり出ていないため、改善策を打つ必要があります。広告運用の最適化や効果測定に欠かせない指標です。
ROI・CPAとの違い
ROASと混同されやすい指標に「ROI」と「CPA」がありますが、それぞれ測定する内容が異なります。各指標の概念とROASとの違いについて解説します。
ROIとの違い
ROI(Return on Investment)は広告費だけでなく、商品原価やその他の関連コストも含めた全体の投資に対する利益率を測る指標です。
一方、ROASは広告費のみにフォーカスしているため、広告戦略の効果をシンプルに評価することができます。総合的な投資効率を把握したい場合や、ビジネス全体の健全性を見る際にはROIを、広告の直接的な効果を測定するにはROASを活用するなど、目的によって使い分けましょう。
CPAとの違い
CPA(Cost Per Acquisition)は1件の顧客獲得にかかった広告コストを示す指標です。ROASは売上ベースの指標であるのに対し、CPAは顧客獲得数に焦点を当てている点が特徴です。
ROASやROIは数値が高いほど効果が高いことを示しますが、CPAの場合は数値が低いほど、広告の効果が高いことを表します。
ROASはどれだけの売上を生み出したかを評価するため、広告効果を収益ベースで見たい場合にはROASを重視するのが一般的です。コスト削減の観点で広告を評価する際には、CPAが適しています。
ROASのメリットとデメリット
ROASの持つメリットとデメリットについて解説します。双方を確認することで適切にROASを扱うことができます。
ROASのメリット
ROASのメリットは、広告費の効果を直感的に把握できる点です。ROASが高ければ広告の投資対効果が良いことを示しており、さらに予算を投下するなどして、広告運用による成果を高めることができます。
ROASが低い場合には、キーワードの変更やクリエイティブの改善、ターゲット層の分析など、より効果を高めるための改善策を打つことができ、広告戦略の最適化に役立ちます。ROASを算出する際に利用するデータは入手しやすく、活用しやすいのもメリットです。これまでの売上や売上予測などのデータを利用して戦略を立案できます。
ROASのデメリット
一方で、売上のみを評価するため、利益率やコストの詳細な分析ができないのがROASのデメリットです。実際にどれくらいの利益を生み出しているのかを正確に測定することは難しく、高い数値が出たとしても、利益がプラスになるとは限りません。
また広告の利益率を図るROASが高くても、総合的な投資効率を測るROIの値が低い場合は、成果を得られていないことになります。ROASだけではなく、他の指標と合わせて活用することが大切です。
ROASの求め方
ROASの計算はシンプルで、「広告からの売上 ÷ 広告費 ×100」で求められます。例えば、広告費に10万円を投入し、売上が50万円の場合、「500,000 ÷ 100,000 ×100(%)」でROASは500%となります。100%を基準として、広告費の回収率を把握できるため、この場合は1円の広告費が5円の売上を生んだことを意味します。
広告の効率性を簡単に数値化できるため、マーケティング戦略の見直しや予算配分の際に役立ちます。定期的にROASをチェックして、広告運用の見直しや改善のヒントを得ましょう。
ROASをKPIとして用いるときの目安
ROASをKPIとして設定する場合、目安となる値は業界やビジネスモデルによって異なります。一般的には、ROASが1.0以上であれば広告費が回収できていると判断されますが、利益を確保するためには2.0以上を目指す必要があるでしょう。
また、ROASを算出して300%や500%という値が出ても、粗利を考慮すると利益がそれほど上がっていない場合もあります。ROASの目安値は、競合分析や過去のデータを参考にしつつ、利益率や成長目標に合わせて設定することが重要ですが、特に粗利や粗利率を考慮した上で設定することをおすすめします。
下記関連記事ではKPIについて詳しく解説しています。こちらも併せてご覧ください。
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ROASを活用するケース
ROASは広告効果の最適化や費用対効果の確認に役立ちます。より具体的なケースを以下で解説します。
最適な広告媒体を見極めたいとき
広告媒体ごとのROASを比較することで、最も効果的なチャネルを見極めることができます。例えば、複数のプラットフォームで広告を出稿している場合、ROASを分析することで、どの媒体が最も収益に貢献しているかを判断することが可能です。
より数値の高いチャネルへ予算を再配分すれば、さらなる広告効果が期待できます。
ターゲットを見直したいとき
ターゲット層に対する広告効果を測定し、見直しを行う際にもROASが役立ちます。コンバージョン率が低い場合などは、適切なターゲット層にアプローチできていないことがあるため、ROASを活用して見直すと良いでしょう。
ターゲット層別のROASを比較して、効果が低い場合は再設定や、広告メッセージの調整を検討することで、より効果的な広告運用が可能になります。
クリエイティブを改善したいとき
広告のクリエイティブ要素が売上にどのように影響しているかを測る際にも、ROASは有効です。異なるクリエイティブをテストし、それぞれのROASを比較することで、どのデザインやメッセージが最も効果的かを判断することができます。
ターゲットユーザーが問い合わせや購入などのアクションをしたくなるような、魅力的なクリエイティブを作成できるよう、適宜見直しを行いましょう。
ROASの改善に役立つツール
ROASを改善するためには、様々なツールの活用が効果的です。特に役立つ3つのツールを紹介します。
CRMツール
顧客関係管理(CRM)ツールは、顧客のあらゆる情報を一元管理し、良好な関係を継続的に構築するためのツールです。
ROASを向上するためには顧客との信頼関係が重要です。CRMツールを活用して顧客の購買行動や傾向を把握し、顧客情報を適切に管理することで、それぞれの顧客に最適なコミュニケーションを取ることができます。ターゲティング精度の向上にもつながり、より効果的な広告戦略を立てられるため、広告の精度は高まります。
ABテストツール
「ABテスト」とは、同じコンテンツの一部(デザイン、キャッチコピー、ボタンなど)を変えて「パターンA、パターンB」を作り、どちらがよりユーザーの行動を促す効果があるかをテストする手法です。
ABツールを活用することで、異なる広告クリエイティブやメッセージの効果を比較する際に役立ちます。ROASの比較を通じて、どのバージョンが最も収益を生み出しているかを明確にすることで、広告戦略を最適化できます。ABテストを繰り返すことで、最も効果的な広告パターンを見つけ出せるでしょう。
アクセス解析ツール
アクセス解析ツールは、Webサイトへのユーザーのアクセス状況を分析するためのツールです。活用することで、広告がどのようにサイト訪問やコンバージョンにつながっているかを詳しく分析することができます。
広告の効果をデータで裏付けすることで、広告の問題点を的確に洗い出し、改善へとつなげられます。
具体的なツールでは、Googleアナリティクスなどが人気です。使い方を解説したWebページや書籍も数多く出ていますが、自力で分析するのが難しい場合には、信頼できる外部に依頼したり、アクセス解析結果を自動的に分析して改善策まで立案してくれるツールなどを活用したりすると良いでしょう。
弊社でもGoogleアナリティクスについて詳しく解説した記事を公開していますので、こちらも併せてご覧ください。
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まとめ
本記事ではROASの意味や、混同されやすい「ROI」や「CPA」との違い、算出方法、役立つツールなどを解説しました。
ROASは広告の効果を収益ベースで評価できるため、広告戦略の見直しや改善に欠かせない指標です。異なる視点から広告のパフォーマンスを測定できるROIやCPAと組み合わせて、適切に活用することで、広告費の効率化や最適化が図れます。
ROASを分析・改善することで、広告の改善だけではなく、ビジネスの持続的な成長にもつながります。
クラウドサーカス社では、自社開発のCMS「BlueMonkey」をはじめとした、マーケティングと営業を支える様々なツールを展開しています。戦略立案・分析、マーケティング支援など、独自のメソッドを活用してデジタルマーケティングを伴走支援するサービスを提供させていただいているのが弊社の強みです。
また「BlueMonkey」では、管理画面上にてアナリティクスのタグを埋め込める領域を確保しているため、制作時にGA4を設定し、GA4の数値を把握しながらサポートすることも可能です。
ROASの改善にお悩みの方はもちろん、マーケティング全般に関してお困りの方や、少しでもご興味のある方はぜひ資料をご覧いただくか、無料の相談も受け付けていますので、お気軽にお問合せください。
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この記事を書いた人
クラウドサーカス株式会社 マーケティンググループ
CMS BlueMonkeyメディア編集部
プロフィール
2006年よりWeb制作事業を展開し、これまで2,300社以上のデジタルマーケティング支援を行ってきたクラウドサーカス株式会社のメディア編集部。38,000以上のユーザーを抱えるデジタルマーケティングツール「Cloud CIRCUS」を提供し、そこから得たデータを元にマーケティング活動を行っている。SEOやMAツールをはじめとするWebマーケティングのコンサルティングが得意領域で、目的から逆算した戦略的なCMS導入・Web制作や運用のサポートも実施。そこで得たノウハウや基礎情報を、BlueMonkeyのコラムとしても発信中。
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