コンテンツマーケティングの効果測定の進め方とは?目的別の指標や注意点、無料ツールも紹介!
コンテンツマーケティングは、ユーザーとの信頼関係を築きながら、商品やサービスの認知度を高める重要な戦略です。しかし、「なかなか成果が出ない」「効果を正確に測定できない」といった悩みを抱えている方も多いかもしれません。実際、何を指標にすればよいのか、どのデータを重視すべきなのかといった課題が浮かぶこともあるでしょう。
本記事では、コンテンツマーケティングの効果測定の重要性や進め方、目的別の指標、注意すべきポイントについて詳しく解説します。手軽に使える無料ツールも紹介しますので、初心者の方もぜひ参考にしてみてください。
目次
コンテンツマーケティングの効果測定とは
まず、コンテンツマーケティングにおける効果測定について考える前に、その基本的な概念について簡単に確認しましょう。
コンテンツマーケティングとは
コンテンツマーケティングとは、ユーザーにとって価値のある情報を継続的に提供することで、信頼関係を築き、商品やサービスへの関心を高める取り組みを指します。一方的に情報を発信する広告とは異なり、ユーザーが自ら進んで情報を受け取りたくなるような仕組みを作ります。
たとえば、ビジネスに役立つブログ記事や解説動画、SNS投稿など、媒体や形式にとらわれない、多様なコンテンツが活用されます。この活動を通じて、潜在顧客を見込み顧客へと育成し、最終的には購入や問い合わせなどの具体的な購買行動へとつなげることが目的です。
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効果測定はコンテンツマーケティングの重要なプロセス
コンテンツマーケティングにおいて、効果測定は非常に重要なプロセスです。適切な効果測定ができれば、コンテンツの改善点がわかり、成果につながりやすくなります。
具体的には、アクセス数や閲覧数、滞在時間、離脱率、問い合わせ件数など、さまざまな指標を活用して分析を行います。各コンテンツがどれだけ成果を上げているかを数値化して確認することで、施策の効果を明確に把握できます。
効果測定を怠ると、改善点や成功要因が見えにくくなり、施策の方向性を見失うことがあります。正確なデータ分析を通じて、コンテンツマーケティングの成果を最大限に引き出しましょう。
コンテンツマーケティングの4つの役割
次に、コンテンツマーケティングの主な4つの役割について解説します。
1.潜在顧客へのアプローチ
コンテンツマーケティングは、自社製品をまだ知らない潜在顧客にアプローチするための効果的な手法です。検索エンジンやSNSで有益な情報を発信し、ユーザーが自発的にコンテンツにふれる機会を増やすことができます。
さらに、普段の営業活動では接点を持ちにくい、遠方の顧客など幅広い層にも情報を届けることが可能です。役立つ情報を提供し続けることで信頼を積み重ね、潜在顧客を自社のファンや見込み顧客へと育成できます。
2.商品・サービスの知名度向上
コンテンツマーケティングは、自社製品の知名度を高めるためにも有効な手法です。ユーザーが求める情報を提供することで、ブランド認知度を自然に高められます。さらに、質の高いコンテンツを継続的に発信すれば、検索結果での露出が増え、多くのユーザーに認知されるチャンスも広がります。
コンテンツが、有益な情報であると認知されれば、ほかのコンテンツにアクセスしてもらえる可能性も高まります。ブランドへの理解も深まり、商品やサービスがユーザーの選択肢に入りやすくなるでしょう。
3.顧客ロイヤリティを高める
信頼関係を構築できた顧客は、企業やブランドに対するロイヤリティが高まります。成約後も価値のある情報を提供し続け、満足度が向上すれば、企業や商品への愛着もさらに深まります。その結果、リピート購入や高額商品の利用にもつながるでしょう。
さらに、満足した顧客はSNSや口コミを通じて、コンテンツや製品の魅力を広めてくれることも期待できます。こうしたファンの存在は、企業の成長にとって非常に重要です。
4.顧客獲得コストの抑制
コンテンツマーケティングは、長期的に見て顧客獲得コストを抑える効果があります。一度公開したコンテンツは、時間が経っても検索エンジンで評価され続け、持続的に集客を実現します。
たとえば、5万円で作成したコンテンツが、長期的にアクセス数やコンバージョンを増やすことで、初期投資を超える収益を見込める場合もあります。短期的な結果を追求する広告とは異なり、コンテンツマーケティングは時間をかけて効果を発揮し、効率的なコスト削減につながります。
コンテンツマーケティングの効果がわかりにくい理由
コンテンツマーケティングにはさまざまな役割がありますが、効果を判断するのは簡単ではありません。その理由として、以下の3つが挙げられます。
コンテンツの目標設定が難しい
効果測定を行うには、明確な目標設定が必要ですが、具体的な数値や基準を設定しにくい場合もあります。たとえば、「ブランドの信頼性を高める」「商品を認知してもらう」といった抽象的な目標では、その成果を測定するのが難しくなります。
また、「信頼を得られているか」「コンテンツの質が高いか」といった基準は人それぞれ異なり、目標設定がしにくいと思われがちです。
しかし、コンテンツの閲覧数や滞在時間といった複数の数値目標を取り入れれば、ユーザーの反応を把握しやすくなります。数値で進捗を確認できる形に変換することで、効果測定の基準を明確にできます。
どの指標を選ぶべきかわからない
コンテンツマーケティングでは、効果測定に使える指標が数多くあるため、どれを選べばよいのか迷うことがあります。たとえば、集客を重視する場合は「訪問者数」や「ページビュー」が重要ですが、顧客育成が目標であれば「問い合わせ数」や「ダウンロード数」が適しています。
さらに、目標に応じて複数の指標を組み合わせる必要があり、その選定や優先順位を間違えると、十分な効果測定が行えないこともあります。こうした指標選びの難しさが、成果を正確に把握しづらくする原因のひとつです。
効果の分析が難しい
効果測定のデータを正しく分析するのが、コンテンツマーケティングの課題となっている企業も多いです。たとえば、訪問者数やクリック率が向上していても、それが目標達成に近づいているかどうかを正確に判断することは容易ではありません。トレンドや競合の状況に左右されるため、データ単独では評価が難しい場合もあります。
また、短期的な効果に注目しすぎることで、コンテンツがもたらす長期的な影響を見落としがちです。こうした要因が、コンテンツマーケティングの効果を正確に把握することを難しくしています。
コンテンツマーケティングの効果測定の進め方4つのステップ
ここからは、効果測定を進める具体的な4つのステップについて解説します。
STEP.1 目標を明確にしてKPIを設定する
コンテンツマーケティングで効果を測定するためには、まず目標となるKPI(重要業績評価指標)を設定しましょう。具体的な数値目標を決めることで、施策の成功や課題が把握しやすくなります。
目標を定めたら、記事数やページビュー数、クリック率など、どの指標で成果を測るかを選びます。あいまいな目標を避け、達成基準を明確な数値で設定することが大切です。
STEP.2 分析ツールで測定する
コンテンツを公開した後は、分析ツールを使って成果を測定しましょう。設定したKPIに基づいてデータを収集し、効果的な部分や改善が必要なポイントを確認します。たとえば、アクセス解析ツール「Googleアナリティクス」を利用すれば、ユーザーの行動を詳細に把握できます。
最近では多くの分析ツールが登場しています。自社の目標に合ったデータが取得できるツールを選びましょう。数値をもとにした分析は、感覚的な判断ではなく、具体的な改善策を立てるための土台となります。
STEP.3 効果を分析する
データが収集できたら、具体的な分析を進めます。達成した目標は、次の施策につなげ、未達成の場合はその原因を洗い出します。この段階では、アクセス数やコンバージョン率といった具体的な数値がそろっているため、課題や改善点を見極めやすくなります。
目標と大きく離れた結果が出た場合には、設定自体を見直す必要があります。また、得られたデータは次のコンテンツ制作や戦略立案にも役立ちます。冷静に結果を評価し、必要に応じて新しいアプローチを取り入れる柔軟性を持つことが大切です。
STEP.4 改善策を実施する
測定と分析の結果をもとに、具体的な改善策を計画して実行に移しましょう。公開頻度を見直してコンテンツ数を増やしたり、ターゲットに響くテーマを再選定したりと、具体的な行動に落とし込むことが重要です。
施策を実行する際は、費用対効果やリソースの範囲も考慮し、無理のない計画を立てましょう。過度な目標設定はモチベーションの低下を招く可能性があるため、達成可能な目標を設定することがポイントです。施策の実行後は、再び効果を測定し、次の改善に役立てるサイクルを構築しましょう。
【目的別】コンテンツマーケティングの指標
次に、コンテンツマーケティングに有効な指標を目的別に解説します。
目的 | 指標 | 詳細 |
---|---|---|
新規顧客の獲得 | ページビュー | サイト内のページが閲覧された回数を示す |
ユニークユーザー数 | 一定期間内にサイトをアクセスしたユーザーの数 | |
認知向上・顧客育成 | 直帰率 | ユーザーが1ページのみ閲覧してサイトを離れた割合 |
滞在時間 | ユーザーがコンテンツを閲覧した時間 | |
再訪率 | サイトを再びアクセスしたユーザーの割合 | |
回遊率 | ユーザーがサイト内で閲覧したページ数を示す指標 | |
購入・申込の促進 | コンバージョン率 | サイト内で企業が期待する行動を取ったユーザーの割合 |
SEO対策 | 検索順位 | 特定のキーワードで自社サイトが表示される順位 |
バックリンク数 | 他サイトから自サイトへのリンク数 |
新規顧客の獲得
新規顧客を獲得するためには、潜在顧客との接点を増やし、効果を測定することが大切です。この段階で注目すべき指標は、検索表示順位、ページビュー数(PV数)、ユニークユーザー数(UU数)などがあります。これらの指標で、コンテンツがどれだけ多くの人に届いているかを把握できます。
特にPV数やUU数は、実際にどれだけの人がコンテンツを訪れたかを示す基準になります。
ページビュー(PV)
ページビュー(PV)は、Webサイト内のページが閲覧された回数を示す指標です。ユーザーが、1ページを訪問するたびに1PVとしてカウントされ、同じページを繰り返し閲覧した場合もその都度加算されます。
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ユニークユーザー数(UU数)
ユニークユーザー数(UU数)は、一定期間内にサイトを訪問した個別のユーザーの数を表します。同一人物が複数回アクセスしても1人としてカウントされます。
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認知向上・顧客育成
認知度を向上し、顧客の購買意欲を高めたい場合は、商品やサービスを多くの人に知ってもらうことが目的となります。この効果を測定するためには、直帰率や滞在時間といった指標に注目しましょう。
滞在時間が長ければ、ユーザーがコンテンツに興味を持ち、内容をしっかり読んでいる可能性が高いです。反対に直帰率が高い場合は、コンテンツの内容が伝わっていないかもしれません。
このように、データを定期的に確認し、ユーザーの関心に合ったコンテンツ内容かどうか見直すことが大切です。
直帰率
直帰率は、ユーザーが1ページのみ閲覧してサイトを離れる割合です。この数値が高い場合、コンテンツが期待どおりの情報を提供できていない可能性があるため、改善の余地があります。
滞在時間
滞在時間は、ユーザーがサイト内でコンテンツを閲覧していた時間を示します。長時間滞在している場合は、コンテンツがユーザーの関心を引きつけている証拠です。
再訪率
再訪率は、サイトを再び訪れたユーザーの割合です。この数値が高ければ、コンテンツが有益であり、リピートしたいと感じられる内容であることを意味します。
回遊率
回遊率は、1人のユーザーがサイト内で閲覧したページ数を示す指標です。高い回遊率は、関連コンテンツが効果的に誘導され、ユーザーの興味を引き続き引きつけていることを意味します。
購入・申込の促進
購入や申し込みを促す段階では、見込み顧客を実際の顧客に変えることが目標になります。コンバージョン率を中心に測定して全体の成果を確認しましょう。コンバージョンの内容は、企業によって異なりますが、問い合わせ数、商品購入数、資料請求数、ホワイトペーパーのダウンロード数が一般的な指標です。
特に、資料請求やホワイトペーパーは、ユーザーが情報を求めているサインです。このタイミングを逃さずに、再訪問や購入につなげる仕掛けを用意すると効果的です。
コンバージョン率(CVR)
コンバージョン率(CVR)とは、Webサイトにアクセスしたユーザーのうち、会員登録や問い合わせ、購入など、企業が期待する行動を取った人の割合を指します。
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SEO対策
SEO対策の効果を測定するには、検索エンジン上でのパフォーマンスを示す指標に注目しましょう。キーワードの検索順位、訪問者数、バックリンク数が主な指標です。
検索順位は、特定のキーワードにおけるコンテンツのランキングを示し、高順位ならSEOは成功といえます。また、バックリンク数は他のサイトからリンクされた数を表し、多くの高品質なバックリンクはサイトの信頼性を高めます。このような指標を定期的にチェックし、SEOの改善を進めましょう。
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検索順位
検索順位とは、検索サイトにおいて特定のキーワードで自社サイトが表示される順位を示します。高順位を目指すことがSEOの成功を意味します。
バックリンク数
バックリンク数は、他サイトから自サイトへのリンク数を指します。高品質なバックリンクが多いほど、検索エンジンの評価が向上し、SEO効果が上がります。
コンテンツマーケティングの効果測定の注意ポイント
コンテンツマーケティングの効果測定を行う際には、いくつかの注意点を押さえておく必要があります。ここでは、特に重要な2つのポイントについて説明します。
中長期的な視点で取り組む
コンテンツマーケティングは、短期間で成果を得ることは難しいといわれています。ブランド認知や顧客信頼の獲得には時間がかかるため、効果を正しく把握するには数か月単位での効果測定が必要です。
特に、SEO効果やバックリンクの増加は、すぐに明確な結果が出ない場合が多く、時間をかけて評価することが求められます。焦らずに継続的な取り組みを続け、段階的に成果を確認しましょう。
コンテンツの役割を理解する
コンテンツマーケティングの効果を正しく測定するには、それぞれのコンテンツが果たす役割を明確に理解することが欠かせません。コンテンツは、ただ情報を提供するものではなく、マーケティングの各段階で異なる目的を果たします。
先述したとおり、顧客獲得の段階ではページビューやユニークユーザー数が重要な指標になります。製品の詳細を伝えるフェーズでは、資料請求やダウンロード数を測定して改善につなげることが効果的です。
このように、コンテンツごとの目標を設定し、それに基づいて成果を測定することが、効率的なマーケティング活動の成功につながります。
コンテンツマーケティングの効果測定におすすめの無料ツール
最後に、コンテンツマーケティングの効果測定に役立つ無料ツールを3つ紹介します。
Googleアナリティクス(GA4)
画像引用元:Google アナリティクス
Googleアナリティクス4(GA4)は、Googleが提供するアクセス解析ツールです。サイトを訪れたユーザーの行動や属性を詳細に把握することができます。
具体的には、ユーザーのデバイスやOS、新規顧客とリピーターを区別するなど属性が計測可能です。また、どのページがどれだけ閲覧されているのか、どこから流入しているのかといったことも確認でき、マーケティング活動の改善に役立ちます。申し込みや資料請求など、コンバージョンの目標達成状況も把握できるため、コンテンツの効果を数値化して評価する強力なツールといえます。
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Googleサーチコンソール
画像引用元:Google Search Console
Googleサーチコンソールは、Webサイトのパフォーマンスを向上させるために便利なWebサイト管理ツールです。Googleが提供する無料ツールで、サイトのパフォーマンス、エラーの有無、検索結果での表示状況などを確認できるため、コンテンツの最適化に役立ちます。
活用することで、WebサイトのSEOも改善され、検索エンジンからの自然流入が増やせます。
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SEOチェキ
画像引用元:SEOチェキ
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SEOの基本的な指標を手軽にチェックでき、SEO対策をはじめたばかりの方にも最適です。また、サイトの状態を総合的に診断する機能もあり、改善点を迅速に見つけ出すのに役立ちます。
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まとめ
コンテンツマーケティングの効果測定を適切に行うことで、施策の成果を明確に把握し、改善につなげられます。中長期的な視点で取り組めば、潜在顧客へのアプローチや認知度の向上、顧客ロイヤリティの強化といったさまざまな成果が期待できます。Googleアナリティクス4やサーチコンソールなどの無料ツールを活用して、費用を抑えながら、効率的な分析を目指しましょう。
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この記事を書いた人
クラウドサーカス株式会社 マーケティンググループ
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2006年よりWeb制作事業を展開し、これまで2,300社以上のデジタルマーケティング支援を行ってきたクラウドサーカス株式会社のメディア編集部。38,000以上のユーザーを抱えるデジタルマーケティングツール「Cloud CIRCUS」を提供し、そこから得たデータを元にマーケティング活動を行っている。SEOやMAツールをはじめとするWebマーケティングのコンサルティングが得意領域で、目的から逆算した戦略的なCMS導入・Web制作や運用のサポートも実施。そこで得たノウハウや基礎情報を、BlueMonkeyのコラムとしても発信中。
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