CTR(クリック率)とは?計算方法や目安となる平均値、改善方法などを解説!
最終更新日:2024/07/04CTR(クリック率)とは、広告や検索結果の表示回数に対するクリック回数の割合のことです。広告出稿やSEO施策などのWebマーケティング領域において、重要な役割を果たしています。
CTRを分析することで、「ユーザーが広告に興味を持っているか」や「施策の成果が出ているか」などを把握することが可能です。CTRが改善することでCVRも向上し、最終的には利益の拡大につながります。
本記事では、CTRの基礎的な知識に加え、広告・施策別、業界別の平均CTR、ケース別のCTR改善方法を解説します。CTR向上に役立つツールも紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
目次
CTR(クリック率)とは?
本章では、まずCTR(クリック率)の概念や計算方法、 自然検索とネット広告におけるCTRについて解説します。
CTR(クリック率)とは
CTR(Click Through Rateの略)は、広告や検索結果の表示回数に対するクリック回数の割合を示す指標です。日本語では「クリック率」もしくは「クリックスルー率」と訳されます。
例えば、100回広告が表示されたうちの10回がクリックされた場合、CTRは10%となります。CTRは、ユーザーの関心度を測る重要な指標であり、効果的なマーケティング戦略の評価に役立ちます。
CTRが高いということは、広告や検索結果がユーザーにとって魅力的であることを意味します。CTRの向上は、そのままウェブサイトへのトラフィック増加へと直結します。
CTRの計算方法
CTRの計算は非常にシンプルです。以下の式で計算されます。
CTR(%)=(クリック数÷広告の表示回数)×100
例えば、広告が500回表示され、20回クリックされた場合の計算式は以下のように表すことができ、CTRは4%になります。
CTR(%)=( 20÷500)×100=4%
CTRを算出して広告の効果を具体的に数値化することで、改善策の立案に役立ちます。
ネット広告・自然検索・SEO検索順位のCTR
CTRは従来、ネット広告の関心を測るための指標でしたが、現在ではSEOの観点から自然検索においても重視されています。さらに、Webマーケティングが普及してからは、SEOが重視されるようになり、SEO検索順位のCTRも欠かせない指標とされています。
それぞれのCTRについて詳しく解説します。
ネット広告のCTR
ネット広告のCTRは、企業が出稿した広告に対して、ユーザーがどのくらい興味を示したかを測る指標です。広告の種類や配置場所、デザインなどによって結果は大きく異なります。
たとえば、ネット広告にはリスティング広告やディスプレイ広告がありますが、ディスプレイ広告の場合、視覚的な要素が強いため、クリエイティブな要素がCTRに大きく影響します。よりユーザーの注意を引きやすい画像やメッセージを活用することが重要です。
自然検索のCTR
自然検索のCTRは、検索エンジンの結果ページでの表示位置(検索順位)に大きく左右されます。
一般的に、1ページ目の上位に表示されるほど高いCTRを獲得しやすく、1位のCTRは約30%と非常に高い数値になりやすいと言われています。ユーザーが上位の結果をクリックしやすいため、検索順位が2位、3位になるとCTRは急激に低下していきます。
まずは検索順位を上げるためのSEO対策を行い、その上でクリックへと誘導できるほど興味を持ってもらう工夫が必要です。CTRの向上はそのままCVRにつながり、利益の拡大が期待できます。
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SEO検索順位のCTR
SEO検索順位のCTRとは、Webサイトが検索結果に表示された回数=インプレッションに対するクリック数の割合を指しています。
検索エンジンでは、「CTRが高いページ=ユーザーにとっての価値が高い」と判断されるので、CTRを改善することでSEO順位が上がる可能性が高まります。さらにSEOで上位に表示されるほどCTRは高くなるので、訪問者数や表示回数の増加にもつながり、CVR向上も期待できます。
CTRを改善することは、SEO施策にもとても有効なのです。
広告・施策別、業界別の平均CTR
CTRの平均値は、広告・施策の種類や業種・業界によって大きく異なります。以下では広告別・業界別の平均CTRについて解説します。
広告・施策別の平均CTR
広告の種類によって、平均のCTRは0.5%~最大8%と大きく異なることがわかっています。
たとえば、リスティング広告では6%前後が一般的ですが、ディスプレイ広告では0.5-1%程度が平均です。これは、ユーザーの検索意図が明確な検索広告に比べ、ディスプレイ広告は偶然の目に触れる機会が多いためです。メールマーケティングなど他の広告形式でもCTRは大きく変わります。
下記は各広告のCTR平均値を表にしたものです。平均CTRが高い順に表示しています。
広告の種類 | 平均CTR | 補足 |
---|---|---|
SEO |
|
SEOでの平均CTRはデバイスによって異なる 6位以降では1%を切る傾向にある |
リスティング広告 (Google広告のケース) |
6%前後 | 最も平均CTRが高い業界は 「アート&エンターテインメント」 (詳しくは後述) |
メルマガ | 2.48% | 最も高い業界「教育」5.55% 最も低い業界「製造・物流・エンジニアリング」1.25% |
YouTube広告 | 0.40% | 最も高いジャンル「興味・関心」0.82% 最も低いジャンル「ギャンブル」0.13% |
ディスプレイ広告 (Google広告のケース) |
0.35% | 最も高い業界「テクノロジー」0.84% 最も低い業界「求人サービス」0.14% |
LINE広告 | 0.3~1.5% | 過去の実績による数値 |
業界別の平均CTR(検索連動型広告の場合)
業界別に見ると、平均CTRはさらに多様です。飲食業界や観光業界はCTRが比較的高く、BtoBビジネスや専門サービス業界ではCTRが低い傾向にあります。業界ごとの顧客層や購買行動の違いが影響していると考えられています。
下記は各業界・業種のCTR平均値を表にしたものです。
業界・業種 | 平均CTR |
---|---|
アート&エンターテインメント | 13.04% |
旅行 | 10.16% |
自動車 - 販売 | 8.58% |
スポーツ・レクリエーション | 9.66% |
不動産業 | 9.20% |
飲食店・食品 | 8.68% |
動物・ペット | 7.39% |
ショッピング、コレクターズアイテム、ギフト | 7.81% |
アパレル・ファッション・宝飾品 | 6.13% |
個人向けサービス | 7.95% |
医師・外科医 | 6.73% |
ヘルス&フィットネス | 6.88% |
家具 | 6.50% |
教育・指導 | 6.21% |
ビューティ&パーソナルケア | 6.75% |
自動車 - 修理、サービス、部品 | 5.69% |
工業・商業 | 5.83% |
キャリア・就職 | 6.79% |
金融・保険 | 7.71% |
ビジネスサービス | 5.62% |
歯科医・歯科サービス | 5.38% |
ホーム&ホームインプルーブメント | 5.59% |
弁護士・法律サービス | 5.30% |
出典元:
クリック率の平均値はあくまで目安
CTRの平均値に注目することは大切ですが、あくまでも目安として捉えることが重要です。特にCTRは業界や広告形式、デバイスによって大きく異なるため、自社の目標に合わせた独自の基準を設けることが求められます。数値だけに囚われすぎないように気をつけましょう。
また、CTRの平均値以上に重要なのは、自社の広告のパフォーマンスを測定し、改善を続けることです。平均値はあくまで比較基準として活用し、自社の実績と照らし合わせて最適化を進めましょう。
【ケース別】CTR(クリック率)を上げる方法
CTRを上げるための改善方法を、以下の3つのケースに分けて紹介します。
- 自然検索
- リスティング広告
- ディスプレイ広告
自然検索の場合
自然検索においてCTRを向上させるための3つの方法を解説します。
1.コンテンツのタイトルを魅力的にする
検索結果のタイトルは、ユーザーが最初に目にする部分です。魅力的でわかりやすいタイトルを設定することで、クリック率を大幅に向上させることができます。具体的には、ユーザーの関心を引くキーワードや数値を含めることや、具体例を使うなどが効果的です。
2.わかりやすい言葉や簡潔な表現を使う
タイトルやメタディスクリプションには、専門用語や難解な表現を避け、誰にでもわかりやすい言葉を使用することが重要です。また、親しみやすいトーンや簡潔な表現を心がけることで、ユーザーのクリック意欲を高めることができます。
3.リッチリザルトに対応する
リッチリザルトとは、検索結果画面上で、通常の検索結果より多くの情報をユーザーに届けることができる、Googleの機能です。直接検索順位には影響しないとされていますが、検索結果に画像やレビュー、価格などの情報を表示することができるので、視覚的に目立ちやすくなり、ユーザーの注目を惹きつけやすくなる効果があります。
リッチリザルトに対応するためには構造化データを適切に設定することが大切です。検索エンジンに正しく情報を伝えることで、CTRを向上させることができます。
リスティング広告の場合
リスティング広告におけるCTRを向上させるための7つの方法を紹介します。
1.最適なキーワードを見極め、広告に含める
リスティング広告の効果を高めるには、ユーザーが検索する際に使うキーワードを選定し、広告文に含めることが重要です。これにより、広告がより関連性の高いものとして認識され、クリック率が向上します。
検索クエリに一致するキーワードに加え、関連性の高いキーワードを含めることが大切です。キーワードは検索結果画面で太字で表示されるので目立ちやすくなり、注目を引きやすくなるという効果もあります。
2.キーワード設定を見直す
定期的に広告管理画面のキーワード設定を見直し、無駄なキーワードや効果の低いキーワードを除外しましょう。新しいキーワードを追加することも有効です。
自社の商品・サービスや、LP(ランディングページ)で訴求したいものと、設定するキーワードが関連しているとCTRの改善が期待できます。キーワードの設定がズレてしまうと、ターゲットと異なるユーザーに広告が表示され、CTRが下がる恐れがあるので気をつけましょう。
3.ターゲット設定を見直す
CTRを高めるためには、広告のターゲット設定を見直し、適切なユーザー層に広告を配信することも大切です。広告は適切なターゲット層に配信するからこそ効果が得られます。
ユーザーの属性や居住地域などのターゲティングが適切かを確認すると同時に、商品・サービスを利用しない属性が設定に含まれていないかを詳細に確認し、該当しないものは設定から外すことを徹底しましょう。
4.訴求ポイントユーザーの検索ニーズを合致させる
広告の訴求ポイントとユーザーの検索ニーズが合致しているかを確認し、ズレている場合は修正しましょう。
たとえば、ある業界に関するハウツーやノウハウ、業界動向などの情報を求めているユーザーに対し、自社商品やサービスの魅力を伝える広告を打っても効果は得難いです。ユーザーの検索ニーズを把握した上で、マッチする内容を訴求する広告を出稿することで、CTRを向上させることができます。
5.広告表示オプションを利用する
広告表示オプションとは、電話番号や画像など、広告文以外の情報を表示できる機能です。ユーザーの求める要素を網羅できるほか、広告がより目立つので、クリックされやすくなります。
具体的には、広告で表示するリンクとは別の目的に合わせたページのURLを表示する「サイトリンク」や、商品・サービスの魅力を伝えるキャッチフレーズを表示する「コールアウト」などのオプションがあります。広告の視認性が高まるほか、レビューを追加すれば信頼度向上にもつながります。検索エンジンからの評価が高まるのも大きなメリットです。
6.掲載内容を見直し、具体的な数値や購買決定要因ワードを入れる
定期的に広告の掲載内容を見直し、効果が低い広告文を改善することも重要です。具体的には、数値や実績などのデータや、購買決定要因となりうるキーワードを取り入れるという方法があります。
たとえば「顧客満足度No.1」という言葉は、ユーザーを惹きつけることができるうえ、実績も示すことで安堵感や納得感を与えることができます。購買決定要因となりうるキーワードについては全てを掲載することはできないので、特に購買意欲を刺激するような言葉を選んで盛り込むことが大切です。
7.広告内容と遷移先のLPの内容を合致させる
広告内容や検索キーワードと遷移先のLPの内容がズレてしまうと、CTRの低下につながります。
ユーザーは広告を見て、「自分のニーズにマッチしている」「自社の課題を解決できそう」と判断したときにクリックします。いくら魅力的な広告を出稿したとしても、LPを訪れたら内容が異なってしまっていては、ユーザーの期待に沿うことはできず、信頼を失う可能性もあります。広告内容とLPの内容を一致させるようにしましょう。
広告内容とLPの内容が合致することで広告の評価も高まります。さらに、LPの内容が魅力的でわかりやすい内容であれば、CTRだけでなくCVRの向上も見込めるでしょう。
ディスプレイ広告の場合
ディスプレイ広告におけるCTRを上げる方法を3つ紹介します。
1.広告のクリエイティブを改善する
ディスプレイ広告のCTRを高めるためには、広告のデザインやメッセージを見直し、ユーザーの目を引くクリエイティブを作成することが重要です。文字のフォントやボタンのデザインなど、鮮やかな色使いや魅力的なビジュアルを取り入れることで、視覚的なインパクトを強めることができます。
2.A/Bテストを実施する
A/Bテストとは、特定のwebページでAとBの2パターンのクリエイティブを用意して、ユーザーの反応の違いを確認し、より効果的なクリエイティブを選択していくマーケティング手法です。
複数の広告パターンを用意してA/Bテストを実施して、どのクリエイティブが最も効果的かを検証し、結果に基づいて最適な広告を出稿しましょう。クリックにつながりやすい表現や方向性を把握することができ、効率的にCTRを向上させることができます。
3.効果の低い広告は配信を停止する
効果の低いクリエイティブを継続して配信することは避けましょう。定期的にCTRを分析し、効果の低い広告は配信停止することで、全体のパフォーマンス改善につながります。
ただ、CTRの低さだけで配信停止を決定するのはおすすめしません。CVRなどの数値も含め、多角的に検討することが大切です。
CTR(クリック率)を向上に役立つツール
CTR(クリック率)を上げる際に活用すると良いツールを2つ紹介します。以下のツールを活用することで、効率的且つ精度の高いCTR向上施策を実施できます。
アクセス解析ツール
アクセス解析ツールは、Webサイト訪問者の行動や属性を詳細に分析するためのツールです。Google Analytics4などのツールを使うことで、クリック数以外にも離脱率やセッション時間なども把握できるので、改善点を見つけ出すことができ、広告効果の最大化を目指せます。
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A/Bテストツール
A/Bテストツールとは、先述したA/Bテストを実施できるツールです。異なる広告やページのパターンを比較して、どちらがより高いCTRを獲得するかをテストできます。最も効果的なクリエイティブやメッセージを見つけ出すことができ、CTR向上に役立ちます。
A/Bテストツールで有名なものに、Googleが提供する無料版の「Googleオプティマイズ」と有料版の「Googleオプティマイズ360」がありますが、そのどちらも2023年9月30日をもってサービス提供が終了しました。
以下では現在でも利用できる代表的なA/Bテストツールとその特徴を紹介します。
ツールの名称 | 特徴 | こんな方におすすめ |
---|---|---|
Optimizely |
世界で高いシェアを誇り、充実した機能や他ツールとの連携機能が備わっている。 高度なA/Bテストが実施できるが、初心者にとっては少し難しく感じる可能性あり。 |
|
DLPO |
国内のLPO(ランディングページ最適化)ツール。 LPを最適化するためのA/Bテスト機能を備えているのがポイント。 |
|
Sprocket |
CRO(コンバージョン率最適化)を目的としたプラットフォーム。 Googleオプティマイズと比べて搭載されている機能が多く、専任のコンサルタントがサポートしてくれる。 Webサイト全体のデザインを比較 |
|
平均よりもCTR(クリック率)を上げるために
本記事では、CTRの基礎的な知識に加え、目安となるCTRの平均値や、ケース別のCTR改善方法などを解説しました。
CTRの数値だけにとらわれる必要はありませんが、たとえ平均より高いCTRを達成したとしても安心せず、継続的に改善を続けることが重要です。マーケティング戦略を実施する際の目安としてCTRを活用し、改善策に取り組みましょう。
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この記事を書いた人
クラウドサーカス株式会社 マーケティンググループ
CMS BlueMonkeyメディア編集部
プロフィール
2006年よりWeb制作事業を展開し、これまで2,300社以上のデジタルマーケティング支援を行ってきたクラウドサーカス株式会社のメディア編集部。38,000以上のユーザーを抱えるデジタルマーケティングツール「Cloud CIRCUS」を提供し、そこから得たデータを元にマーケティング活動を行っている。SEOやMAツールをはじめとするWebマーケティングのコンサルティングが得意領域で、目的から逆算した戦略的なCMS導入・Web制作や運用のサポートも実施。そこで得たノウハウや基礎情報を、BlueMonkeyのコラムとしても発信中。
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