リスティング広告とSEOの違いは?効果的な使い分けや併用のポイントなどを解説
Webサイトを運用するのであれば、「検索エンジンの上位表示を狙いたい」と考え取り組むのが当然だと思います。
ただどのように集客すればいいか悩んでいる方や、知識はあっても「リスティング広告を出稿するべきか、それともSEO対策に取り組むべきか」と悩む方は多いのではないでしょうか。
そこで本記事ではリスティング広告とSEOの違いをはじめ、それぞれに適したシーンなどを解説します。どのように活用すればマーケティング効果を最大化できるかがわかる内容になっていますので、ぜひ参考にしてください。
目次
リスティング広告とSEOの違い
まずリスティング広告とSEOの概要と、主な6つの違いについて解説します。
リスティング広告とは
リスティング広告とは、GoogleやYahoo!などの検索エンジンの結果ページに有料で表示されるテキスト広告です。ユーザーが特定のキーワードで検索を行った際、そのキーワードに関連する広告が検索結果の上部や下部に表示されます。
広告主は、設定したキーワードに基づいて表示されるため、狙ったターゲットに直接アプローチできる点が特徴です。料金システムは「クリック課金型」であり、ユーザーが広告をクリックするたびに料金が発生します。即効性が高く、短期間での成果を求める場合に有効なマーケティング手法です。
SEOとは
SEO(検索エンジン最適化)は、検索エンジンの自然検索結果において、特定のキーワードをユーザーが検索した際に、サイトが上位に表示されるようにするための施策です。
Webサイトの構造やコンテンツを最適化し、検索エンジンのアルゴリズムに評価されやすいようにすることで、オーガニック(自然検索)での流入増加が期待できます。一度効果が出れば持続的なアクセスを見込める反面、成果が出るまでに時間や労力がかかる傾向にあるので、長期的な集客に向いています。
関連記事:
リスティング広告とSEOの6つの違い
リスティング広告とSEOの主な6つの違いについて、それぞれ詳しく解説します。
ターゲット層
リスティング広告は、指定したキーワードに基づいてターゲット層にピンポイントでアプローチできるのに対し、SEOは広範なユーザー層に対して自然にリーチします。
商材に関連するキーワードに既に興味のある「顕在層」は、具体的なキーワードを入力して検索します。顕在層のニーズが明確なので、具体的なキーワードを検索するリスティング広告と相性が良いとされています。
一方、SEOのターゲット層の多くは、商材に関するニーズは顕在化されていないものの、関連するキーワードに興味を持っている「潜在層」です。特定のキーワードの検索が必要ないので、リスティング広告よりも広範囲なターゲットに向けて効果があります。また、顕在層向けのキーワード検索でもヒットする可能性はあるので、上位表示することができれば、顕在層+潜在層向けの施策になります。
即効性
リスティング広告は即効性が高く、設定後すぐに検索結果の上位に表示されます。早ければ配信当日から検索ユーザーの流入が期待でき、短期間で成果を得られる点が特徴です。
一方、SEOは上位表示させるには、検索エンジンから評価されやすいページを作成する工夫が必要になるため、効果が出るまでに時間がかかります。ユーザビリティの向上や良質なコンテンツの提供によって掲載順位は上がるので、中長期的な取り組みが必要です。
既存サイトだと最短でも3ヶ月~6ヶ月程度の期間を要するため、即効性には欠ける点を覚えておきましょう。
クリック率
クリック率はリスティング広告に比べて、SEOの方が高い傾向にあります。
リスティング広告は上位に表示されますが、「広告」という表記が入るため、ユーザーにPRと判断され、クリック率が低下しやすいです。
一方SEOは上位表示されるとクリックされやすくなり、Webサイトに訪問するユーザーが増え、コンバージョン数の増加も期待できます。ユーザーの信頼を得やすいという特徴もあり、自然流入でのクリック率向上が見込めます。
以下の表は海外のデータをもとに、SEOの検索順位別のクリック率と、リスティング広告の平均クリック率をまとめたものです。日本におけるリスティング広告は5~10%程度とされていますが、リスティング広告とSEOのクリック率の違いがはっきりとわかります。
掲載順位 | リスティング広告 | SEO(Google自然検索) |
---|---|---|
1位 | 18.9% | 34.2% |
2位 | 8.8% | 17.1% |
3位 | 6.3% | 11.4% |
4位 | 5.1% | 8.1% |
5位 | 4.5% | 7.4% |
6-10位 | 2.4% | 3.6% |
参照元:Why (almost) everything you knew about Google CTR is no longer valid
下記記事ではクリック率についてより詳しく解説しています。
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クリック料金
リスティング広告はクリックごとに費用が発生する「クリック課金型」であるのに対し、SEOは基本的に無料です。リスティング広告は出稿費用がかかり、運用を止めない限りは費用が発生し続けます。ただ、出稿費用に関しては自由に設定できるため、予算以上にコストがかかってしまう心配はありません。
SEOは基本的に無料ですが、上位表示を図るためにはSEOの知識を身につける必要や、専門家にSEOコンサルを依頼する必要があるため、人件費や相談料のコストが発生する可能性があります。
文言・リンク先の指定
リスティング広告では、広告文やリンク先を自由に設定できますが、SEOでは検索エンジンの評価に応じて表示されるため、どのページを掲載するかなどの直接的な指定はできません。リスティング広告の場合、A/Bテストを実施して、リンク先ごとの効果検証なども行えます。
掲載順位
リスティング広告は上限クリック単価や品質ランク、広告表示オプションなどに基づいて掲載順位が決まります。この基準は「広告ランク」といい、広告ランクが高いほど検索結果に上位表示されるようになります。広告ランクを理解して運用することで、掲載順位を調整できます。
一方、SEOはコンテンツの質や外部リンクの数などが影響します。Googleアルゴリズムの評価によって順位が変動しますが、基準が一般公表されていないため、上位表示のコントロールはリスティングと比べて難しいという側面があります。
リスティング広告とSEOの効果的な使い分け
リスティング広告とSEOは適切に使い分けることでより強い効果を発揮します。以下ではそれぞれに適しているシーンを解説します。
リスティング広告が適しているシーン
まず、リスティング広告が適している代表的なシーンを3つ紹介します。
即効性を求める場合
リスティング広告は、迅速な結果が求められるキャンペーンや新商品リリース時など、短期間での集客が必要なシーンに最適です。
広告審査が完了すればすぐに掲載できるほか、短期的なコンバージョン発生も期待できます。SEOでは検索結果の上位表示のためには時間と労力が必要ですが、リスティング広告であれば短期間で上位表示を狙うことができ、成果も早く上げられます。
指名キーワードの流入確保を目的とする場合
指名キーワードでの流入を確保したい場合、リスティング広告が効果的です。「指名キーワード」とは、ブランド名や特定の商品名、社名、サービス名と呼ばれるもので、リスティング広告ではこれら固有の名称で検索をおこなうユーザーに対し直接的なアプローチがかけられます。
指名キーワードで検索するユーザーは、基本的に既に商材などを知っている状態にあるため、Webサイト訪問後に、購入や資料請求などのアクションを起こしてくれる可能性が高いです。
掲載期間が限られている場合
期間限定のプロモーションやセールの際には、リスティング広告を活用して短期間での成果を狙うことが適しています。リスティング広告では、広告の開始と終了、特定のキーワードや広告文などを広告主側で設定できます。
短期間のキャンペーン中や、新商品リリース期間など、掲載期間が限られる場合に、即効性のある集客効果などが期待できます。セール期間終了と掲載停止を連動させられるのは魅力です。
SEOが適しているシーン
次に、SEOが適している代表的なシーンを3つ紹介します。
コストを抑えてアクセス数を伸ばしたい場合
長期的な視点でコストを抑えつつ、オーガニックなアクセス数を増やしたい場合は、SEOが最適です。SEOは、検索結果画面に表示させるために直接支払いが必要になるコストはありません。
上位表示するには時間や工数がかかりますが、しっかりと取り組んでいくことで、コストを支払わなくても上位表示される可能性があります。
一般キーワード獲得を目的とする場合
先述した指名キーワードではなく、一般キーワードでの流入を増やしたい場合にはSEOが有効です。リスティング広告を用いても同様の対策はできますが、コンバージョン率は低くなる傾向にあります。
見込み度合いが低いキーワードも含めて対策するときは、一般キーワードに関連するコンテンツを増やすなどの「コンテンツSEO」や、新しいページの作成などに取り組むのがおすすめです。
Webコンテンツを最適化する「コンテンツSEO」に関しては、下記の関連記事で詳しく解説しています。
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中長期的に集客したい場合
時間をかけてコンテンツを充実させ、中長期的に安定した集客を目指す場合には、SEOが適しています。SEOはリスティング広告のような即効性はない一方、上位表示することができれば、安定的な成果を得られる点が魅力です。
リスティング広告は中長期的に運用するとなると、膨大な出稿費用がかかる可能性があります。また、一度広告を停止してしまうと効果が得られず、訪問ユーザーが減ってしまうため、中長期的な集客という点では不向きです。
リスティング広告とSEOの併用がおすすめ
Webサイトを効果的に運用するのであれば、リスティング広告とSEOを併用するのがおすすめです。より効果を発揮するためのポイントを以下で解説します。
リスティング広告とSEOの併用が効果的
リスティング広告とSEOを併用することで、それぞれの強みを活かし、効果的なマーケティング戦略を実現できます。持続的な集客基盤を築くため、リスティング広告で短期間の集客を確保しつつ、SEOで長期的なアクセスの増加を目指すのをおすすめします。
それぞれの特徴に合わせて運用していくことで、ターゲット層へのアプローチを最大化し、効率的な広告運用が可能となります。
商材によって適切な方を選ぶ
また、商材やビジネスモデルに応じて、リスティング広告とSEOのより最適な方を選択することも重要です。例えば、新製品や期間限定の商品にはリスティング広告が適している一方で、専門性の高い情報提供や長期的なブランド認知向上にはSEOが向いています。また、単価の安い商材を扱うビジネスは、リスティング広告に不向きとされています。
両者を上手に使い分けて、効果の最大化を目指しましょう。
まとめ
そこで本記事ではリスティング広告とSEOの違いをはじめ、それぞれに適したシーンや、併用する際のポイントなどを解説しました。
リスティング広告とSEOは、それぞれ異なる特性を持つマーケティング手法であり、リスティング広告は短期的な効果を狙う場合に、SEOは長期的な集客を目指す場合に有効です。
これらを併用し、状況に応じて使い分けることで、短期的な成果と長期的な成果の両立や、効率的なマーケティング戦略を実現できます。商材やビジネスの特性に合わせて、適切な手法を選択するようにしましょう。
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この記事を書いた人
クラウドサーカス株式会社 マーケティンググループ
CMS BlueMonkeyメディア編集部
プロフィール
2006年よりWeb制作事業を展開し、これまで2,300社以上のデジタルマーケティング支援を行ってきたクラウドサーカス株式会社のメディア編集部。38,000以上のユーザーを抱えるデジタルマーケティングツール「Cloud CIRCUS」を提供し、そこから得たデータを元にマーケティング活動を行っている。SEOやMAツールをはじめとするWebマーケティングのコンサルティングが得意領域で、目的から逆算した戦略的なCMS導入・Web制作や運用のサポートも実施。そこで得たノウハウや基礎情報を、BlueMonkeyのコラムとしても発信中。
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