BtoBマーケティング戦略の基本と支援会社・コンサルの上手な活用方
最終更新日:2024/10/22BtoBマーケティングにこれから本格的に取り組む方に役立つ、戦略立案の基礎知識を解説します。インターネット上での情報収集がさまざまな購入プロセスの起点になった現在、BtoB分野でも、デジタルマーケティングへの対応が重要になっています。この記事では、BtoBの特徴に沿ったマーケティング戦略の立て方と、マーケティング支援会社やコンサルティングサービスの有効な活用方法をご紹介します。
BtoB企業のために解説したBtoBマーケティングHandbookもご覧ください。
目次
BtoBマーケティングとは
BtoBマーケティングとは、企業間取引(Business to Business)を主な商流とする企業が、製品やサービスを販売するために行うさまざまな活動のことです。
BtoB分野のマーケティングは、BtoCの場合とは異なり「購入に至るまでの検討期間(リードタイム)が長い」「複数の決裁者の承認が必要」「販売価格が高額」などの特徴があります。BtoCとの違いの詳細は、以下の記事を参考にしてください。
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BtoBデジタルマーケティングの基本「リード」とは
BtoBマーケティングの施策は「オンラインで行う施策」と「オフラインで行う施策」の大きく2つに分けられます。「オフラインで行う施策」にあたるのは、従来の対面営業やテレアポ、展示会出展、対面セミナー、DMなどです。
一方、近年需要が増しているのは「オンラインで行う施策」です。インターネット上で潜在的な需要を持つ「見込み客」となるべくたくさんのつながりを持ち、その需要度を高め、最終的な購買につなげることを目指します。この「見込み客」の情報のことを「リード」と言います。また、リードを獲得・育成・分析して、段階的に購買に結びつけるマーケティング手法を「デマンドジェネレーション」と言います。
「リード」と「デマンドジェネレーション」について、詳しくは以下の記事を参考にしてください。
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BtoBマーケティングの戦略の立て方
では、BtoBマーケティングの戦略は、具体的にどのような手順で立案すればよいのでしょうか。以下にて6つのステップに分けてご紹介します。
準備の段階で手間がかかると感じられる方もいると思いますが、事前の戦略設定をきちんと行うことが、本来の目的とブレずにPDCAをまわすうえで重要になります。
(1)現状把握と市場分析
はじめに行うのは、現在の自社の状況の把握です。以下のような項目を確認することで、BtoBマーケティングに取り組む以前の自社の現在地を改めて意識することができます。各数値を洗い出したうえで、改善点や伸びしろがある工程を見極め、仮説を立てます。
- 現在の顧客数
- 現在の案件数
- 現在の商談数
- 現在の受注数
- 現在の営業フローとリソース状況
- 自社ホームページの検索サイトでの表示状況
- ホームページのアクセス数
- ホームページからの問い合わせ数
- マーケティング関連コストと成果
次に、対象の市場や競合企業の状況を調査します。自社の製品にポテンシャルがあり、営業プロセスに改善点があったとしても市場のニーズとマッチしていなければマーケティングの効果は見込めません。
- 競合企業の検索サイトでの表示順位
- 競合企業のホームページの訴求内容
- 関連性の高いキーワードでの検索ボリューム
上記のような項目をリサーチしたうえで、自社の製品・サービスの「見込み客」がどの程度いるかを把握することが、BtoBマーケティングで成果を挙げる近道になります。
(2)ターゲットの明確化
「ニーズを見込める市場」と「自社営業フローの改善余地」を把握したら、さらにマーケティング戦略の解像度を上げていきます。前項では、購入者を大きく市場(マーケット)ととらえていましたが、具体的にアプローチするのはその中の「誰」なのかをさらに掘り下げましょう。
たとえば、ターゲットが製品・サービスを実際に使う「実務担当者」なのか、最終的な決裁権を握る「経営層」なのかで施策の内容は変わります。また、知識の少ない「初心者」を幅広くターゲットとするのか、技術などに詳しく明確な課題を持つ「ニッチ層」をターゲットとするのかでもアプローチ方法が異なります。
このように、自社の製品・サービスの強みと、既存の顧客層を照らし合わせたうえで、「BtoBマーケティングでさらに獲得したいのはどのようなターゲットか」を明確にすることが大切です。
(3)マーケティング全体像の把握と目的の確認
「BtoBマーケティングとは」で述べたように、BtoBマーケティングの目的は広義では「製品・サービスを販売し売上を高めること」です。しかし、最終的な目的を設定するだけでは、このあと解説する具体的な施策を「何のためにやるのか」把握しづらくなります。
BtoBのマーケティングのプロセスには、下図のような「集客」「リード獲得」「リード育成」「商談獲得」の段階が存在します。市場のニーズや自社の状況を踏まえたうえで、とくに力を入れて取り組むべき項目は何なのか、マーケティングの目的を明確にしておきましょう。
(4)施策・手法の優先順位を決定
マーケティングの全体像を把握したら、次の段階では、目的に応じた施策の優先順位を決めます。たとえば、以下のように第1フェーズ、第2フェーズなどの段階に分けて、目標・目的とそれを達成するための施策を検討します。
フェーズ | 目標・目的 | 施策 |
---|---|---|
第1フェーズ | マーケティングの土台づくり |
|
第2フェーズ | 自然検索からの流入強化 |
|
第3フェーズ | 商談・案件化率向上 |
|
第4フェーズ | 認知向上・各施策の成果アップ |
|
(5)KPI・評価指標の設定
目的に合った施策の計画を策定したら、それぞれの評価方法も決めておきましょう。
ここで役立つのが(1)で洗い出した、自社の実際の営業状況を表した数値です。
下図のように、BtoBマーケティングのKPIは目標とする成果から逆算して必要な指標を割り出すことが重要です。前段階でプロセスごとの目標と施策を明確にしたのは、成果を正しく評価するための準備でもあります。
(6)計画の実行と見直し
ここまで戦略を組み立てたら、計画に沿って施策を実行します。
戦略立案の段階で「現状把握」「市場分析」「ターゲットの明確化」「目的に合った施策の実行計画」「現状から逆算したKPI設定」ができていれば、その後の施策の評価や改善も容易です。このように、BtoBマーケティングの戦略をきちんと立てることは、PDCAサイクルをまわし、結果として成果を得やすくすることにつながります。
BtoBマーケティング戦略で失敗しやすいポイント
次に、BtoBマーケティングの戦略立案の段階で、多くの企業が陥りがちな失敗のポイントをご紹介します。
ツール導入や施策の実行が目的となってしまう
「リードを獲得するには◯◯ツールを入れなければいけない」
「よその会社もやっているから、うちもWeb広告をださなければ…」
このように、マーケティング関連のツール導入や施策の実行自体が目的となってしまうと、本当に必要な施策やツールを見極めることができなくなってしまいます。また、目的を明確にせずにツールを導入したり、施策を行ったりした場合、手間やコストに見合う成果が出ているか、正しい評価ができなくなります。
そして「成果が出ない」「コストに見合わない」と感じられると、せっかくのBtoBマーケティングへの取り組みがしだいに縮小してしまう「負のループ」に陥るケースが多く見受けられます。
戦略立案にはさまざまな調査・分析が必要ですが、はじめにこの工程を経ることで、BtoBマーケティングの計画性と着実に成果を挙げる体制を築くことができます。
リード獲得後のフォロー体制がない
オンラインで行われるBtoBマーケティングの施策は、営業部門とは異なる部署(マーケティング部門やWeb担当など)が担当することが多いのが一般的です。
その場合、せっかくマーケティング活動を通してリードを獲得したとしても、営業部門がアプローチや商談に対応できなければ受注に結びつけるのは難しくなります。リードを獲得後、どのようにそのリードを活用していくのか、自社の人的リソースと照らし合わせて対応を決めておくことが大切です。
短期間で高い成果を求めすぎる
BtoBマーケティング、とくにデジタルマーケティングの施策は、継続的に実施・見直しを行うことで成果を挙げられるものです。リスティング広告など、短期的な効果を見込める施策も一部にありますが、多くの施策は長期的な視点で成果を見定める必要があります。
BtoBマーケティングの成果を正しく評価し、改善しながら継続するためにも、前述のようなフェーズごとの目標設定が重要になります。
支援会社・コンサルティングサービスの上手な使い方
ここまでにBtoBマーケティングの戦略立案の考え方を解説しましたが、「自社のノウハウだけですべてを考えるのは難しい」と感じる方も多いのではないでしょうか。
そのようなときに力になるのが、マーケティングの支援会社やコンサルティングサービスです。デジタルマーケティングの支援を行う企業は多くありますが、各社が何の事業をメインに行っているかによって得意分野が異なります。とくに、BtoBマーケティングはBtoCとは客層や手法が大きく異なるため、BtoB分野での実績が豊富な会社を選ぶのがおすすめです。
「マーケティング支援サービス」を提供するいろいろな会社
- ITツールを販売している会社・ベンダー
- Web制作を提供している会社
- 広告出稿をメインに扱う会社
- コンサルティングサービスを主とする会社
- サーバやインフラ系を取り扱う会社
- 各種ツール導入を支援する代理店・SIer
- SNS運用が得意な会社
- BtoBに強い会社とBtoCに強い会社
クラウドサーカスはBtoB企業のデジタルマーケティングに伴走
CMS「BlueMonkey(ブルーモンキー)」を提供するクラウドサーカスは、上記の分類のなかでは「ITツールを販売するベンダー」であり「Web制作会社」でもあります。
CMS「BlueMonkey(ブルーモンキー)」をはじめ、クラウドサーカスではBtoB企業の顧客獲得に特化したさまざまなツールを提供しており、BtoB企業のデジタルマーケティングを支援してきた実績が多数あります。
また、クラウドサーカスは多くのBtoB企業を支援してきたノウハウをもとに独自のマーケティングメソッド「DPOメソッド」を構築しました。このメソッドをもとに、BtoB企業のデジタルマーケティングに伴走するコンサルティングサービスも提供しています。MAツール「BowNow(バウナウ)」を活用したMA運用支援や広告運用代行にも対応しているため、幅広い施策の相談が可能です。
「ホームページの改修と同時に、本格的にデジタルマーケティングに取り組みたい」
「フェーズごとの目的に応じて、必要なツールを段階的に導入したい」
「やりたいことが変化しても、いろいろまとめて相談できる会社がいい」
BtoB企業の、このようなニーズにマッチするのがクラウドサーカスのサービスです。
「DPOメソッド」について、詳しくは以下の記事を参照してください。
まとめ|BtoBマーケは「相談できる」パートナーを有効活用
この記事では、BtoBマーケティングの戦略の立て方と、コンサルティングサービスの活用方法についてご紹介しました。
記事中では、戦略立案の方法をステップに分けて詳しく解説しましたが、リソースが少ない状態では、実際にきめ細かな調査・分析を行うのは難しいものと思われます。そのようなときは、ぜひプロの視点を活用いただき、BtoBマーケティングの「はじめの一歩」をスムーズに踏み出すサポートをさせていただければと思います。
クラウドサーカスでは、CMS「BlueMonkey」を活用したホームページ制作から運用サポート、リード獲得支援まで、ワンストップでサービスを提供しています。お客様の目標や目的に応じて必要なツールのご提案も可能ですから、ご興味のある方はお気軽にお問い合わせください。
CMS BlueMonkeyとクラウドサーカスのホームページ制作の資料を見てみる
BtoBのデジタルマーケティングメソッド決定版
BtoB企業の実践的デジタルマーケティングノウハウ『DPOメソッド解説資料』
これまで2,300社以上のマーケティング支援に携わったノウハウと自社での経験を活かして、BtoB企業向けの成功ロードマップ「DPOメソッド」を作成しました。
この記事を書いた人
クラウドサーカス株式会社 マーケティンググループ
CMS BlueMonkeyメディア編集部
プロフィール
2006年よりWeb制作事業を展開し、これまで2,300社以上のデジタルマーケティング支援を行ってきたクラウドサーカス株式会社のメディア編集部。38,000以上のユーザーを抱えるデジタルマーケティングツール「Cloud CIRCUS」を提供し、そこから得たデータを元にマーケティング活動を行っている。SEOやMAツールをはじめとするWebマーケティングのコンサルティングが得意領域で、目的から逆算した戦略的なCMS導入・Web制作や運用のサポートも実施。そこで得たノウハウや基礎情報を、BlueMonkeyのコラムとしても発信中。
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