デジタルマーケティングの全体像について解説!基本的な手法8選や6つの成功ポイントもあわせて解説
デジタル化やDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進する企業が増え、デジタルマーケティングへの関心も高まっています。導入することで、人手不足の解消や競争力の強化といった、効率的なマーケティングの実現が期待できます。
ただ、重要性は理解していても、「どこから手をつければいいのかわからない」と感じる方も多いのではないでしょうか。
デジタルマーケティングでは、目的に応じた施策を進めることが重要です。まず全体像を正しく把握することで、より成果を得やすくなります。
本記事では、デジタルマーケティングの基本的な概念から具体的な手法までをわかりやすく解説します。
目次
デジタルマーケティングとは?
デジタルマーケティングとは、インターネットを中心にさまざまなデジタルツールを活用したマーケティング手法です。WebサイトやSNS、メールといった、多様なチャネルを使い、顧客との接点を増やしながら企業や製品の認知度を向上させます。
よく「Webマーケティング」と混同されがちですが、デジタルマーケティングはより広い範囲でのデジタル施策をいいます。Webサイトだけでなく、AIやアプリなどを含む、デジタル全般を対象にしています。
デジタルマーケティングの魅力は、施策の成果をデータで計測できる点です。数値をもとに「どの施策が効果的か」を見極め、柔軟に戦略を調整できるため、従来のマーケティングでは難しかった高精度な分析と改善が可能になります。顧客のニーズを的確に捉え、企業の成長を支える手法として注目されています。
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デジタルマーケティングの全体像について
デジタルマーケティングは、ユーザーとの関係を段階的に深める4つのプロセスで構成されています。「創客」「送客」「育客/獲客」「層客」の4段階に分けることができます。
まず、広告やSNSを活用して自社や商品を認知してもらいます。その後、Webサイトや店舗へ誘導し、興味を持ったユーザーの購入意欲を高めます。最終的に購買行動を促し、購入後も継続的に接点を持つことで、リピーターやファンの育成を目指します。
BtoBマーケティングの3つのプロセス「デマンドジェネレーション」
とくに、BtoBマーケティングでは、このような段階的な管理が重要視されており、リード(見込み顧客)を効率よく育てる取り組みは「デマンドジェネレーション」と呼ばれています。
具体的には、リードを集める「リードジェネレーション」から、購買意欲を高める育成「リードナーチャリング」を行い、最終的に条件を満たしたリードを営業へ引き渡す「リードクオリフィケーション」のプロセスでマーケティングを進めます。このように、デジタルマーケティングの全体像を把握することで、効果的な施策の立案が実現します。
創客・送客(リードジェネレーション)
デジタルマーケティングの最初のステップは、自社商品やサービスへの認知を広げて顧客を創る「創客」です。潜在顧客にアプローチし、関心を引き出すための活動が中心になります。たとえば、SNSを使ったキャンペーンや、SEOによる検索エンジンからの流入強化、ターゲット広告の配信など、さまざまな方法が考えられます。
しかし、単に情報を発信するだけでは不十分です。顧客が、どのような経路で情報を収集しているのかを分析し、最適なタイミングとチャネルでコミュニケーションを取ることが重要になります。この段階で興味を引き出すことができれば、この後の顧客育成(リードナーチャリング)や商談成約への送客がスムーズに進みます。
育成/獲客(リードナーチャリング)
「育成・獲客」の段階では、見込み顧客が自社製品に関心を持ち続けるよう、継続的なコミュニケーションを行うことが求められます。メールマガジンやSNS、チャットボットなどを活用して、顧客一人ひとりに合わせた情報や回答を提供することがポイントです。
製品を販売するだけでなく、顧客に価値を感じてもらい、信頼を築くことがこの段階の目標です。疑問や不安を先回りして解消することで、「この企業なら信頼できる」と思ってもらえる可能性が高まるでしょう。顧客データを分析し、興味や行動に応じたコンテンツやメッセージを発信することが大切です。
層客
最後のステップは、成果を最大化する「層客」です。一度購入した顧客に再度アプローチし、リピート購入や追加購入を促す施策が中心となります。新規顧客の獲得に比べて、コストを抑えられるため、効率的に収益を上げることが期待できます。
具体的な方法としては、リピーター限定のキャンペーンや割引クーポンの提供、定期的なメール配信によるアフターフォローなどがあります。また、年単位のお得なプランを提案することで、長期的な関係を築くことも効果的です。
さらに、購入履歴や利用状況を分析し、最適なタイミングで必要とする情報を提供することで、顧客満足度が向上します。このような関係性を強化する取り組みによって、LTV(顧客生涯価値)の向上が見込まれ、安定した企業の成長につながります。
デジタルマーケティングを成功させる6つのポイント
デジタルマーケティングを成功させるためには、いくつかのポイントがあります。ここでは、6つのポイントについて紹介します。
1.目的を明確化する
デジタルマーケティングの第一歩は、目的を明確にすることです。「認知を広げたい」「顧客を獲得したい」「売上を増加させたい」など、目的は企業によってさまざまです。自社の目標を具体的にすることで、適切な施策を選択できます。
たとえば、「月間リード数を20件から50件に増やす」といった目標を設定すれば、どのチャネルが効果的なのかを分析し、その施策を重点的に強化できます。目的が曖昧だと施策の方向性がブレてしまうため、まずは自社の課題を洗い出し、整理することから始めましょう。
2.コストをかけすぎない
デジタルマーケティングでは、適切なコスト管理が欠かせません。初期段階で多額の予算を投じると、期待した効果が得られなかった場合のリスクが大きくなります。施策が予算と見合っているか慎重に見極めましょう。
たとえば、広告費を大きく割り当てても、十分なリターンが得られなければ費用対効果が低下します。マーケティング初心者は、低コストではじめられる施策からスタートし、反応を見ながら徐々に予算を増やす方法が適しています。無理のない範囲で継続できる運用が、結果的に効果を高めます。
3.複数のチャネルを併用する
マーケティングの効果を最大化するためには、複数のチャネルを組み合わせることが重要です。SEO、SNS、メールマガジンなど、それぞれが異なる顧客層にアプローチできます。
たとえば、SEOでは情報を探しているユーザーを引き込むことができ、SNSでは潜在顧客に対してブランドやサービスの認知を広げられます。各チャネルの特性を理解し、それぞれを効果的に組み合わせることで、多様なターゲットに働きかけることが可能になります。
4.中長期的な計画で行う
デジタルマーケティングは短期的な成果を求めるだけでなく、中長期的な視点で計画を立てる必要があります。顧客が商品やサービスを認知し、購買に至るまでには時間がかかるため、急いで結果を求めると施策が途中で頓挫してしまうこともあります。
顧客視点を取り入れて計画を立て、必要な投資を行いながら、継続的に評価・改善を行うことで、着実に成果が得られます。数か月から年単位で取り組むことが、デジタルマーケティングの成功につながるでしょう。
5.他部署と連携する
デジタルマーケティングの効果を最大化するには、他部署との連携が欠かせません。営業やカスタマーサクセスと情報を共有し、顧客の声を反映することで、より精度の高い施策が実現します。
まずは、部署間で共通の目標を設定し、協力して進める体制を整えることが大切です。同じ目標に向けて、現場からの意見を施策に取り入れたり、リード情報を営業と共有したりすることで、一貫性のある取り組みが可能になります。
6.体制を整えてPDCAサイクルを回す
デジタルマーケティングでは、PDCAサイクル(計画:Plan、実行:Do、評価:Check、改善:Action)を回す仕組みが必要です。このフレームワークを継続的に運用できる体制を整えましょう。
人手不足や業務量の多さで体制が作れない場合は、デジタルツールの活用や外部委託を検討するのもひとつの手段です。PDCAをしっかりと回すことで、業務が継続的に改善され、長期的に安定した成果を得られるようになります。
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デジタルマーケティングの基本的な手法8選
ここでは、デジタルマーケティングの基本的な手法8選を紹介します。それぞれの特長や活用法を押さえ、効果的なマーケティング活動に役立てましょう。
1.デジタル広告
デジタル広告は、インターネット上でユーザーに直接アプローチする広告手法です。リスティング広告、SNS広告、ディスプレイ広告などが代表例です。テレビCMとは異なり、細かいターゲット設定が可能で、効果測定が容易な点が特徴です。
たとえば、リスティング広告では、検索エンジンで特定の製品やサービスに関心を持つユーザーを効率的に引きつけることができます。少額から運用できるため、初心者でも導入しやすい手法です。
2.SEO
SEO(検索エンジン最適化)は、特定のキーワードで検索された際に自社サイトを上位表示させる手法です。たとえば、「MAツール メリット」といったキーワードで上位表示されれば、MAツールを販売している企業にとって、新規顧客を獲得するきっかけになります。
費用を抑えつつ、自社の信頼性や知名度を高める効果が期待できますが、効果が出るまでには時間がかかります。継続的に取り組むことで、安定した集客につながるでしょう。
3.SNS
SNSマーケティングは、FacebookやInstagram、X(旧Twitter)などを活用して、情報を発信しながらユーザーとの関係を深める手法です。コストをかけずに広く情報を届けられるほか、ユーザーの反応を直接受け取れることもできます。双方向のコミュニケーションを通じて、消費者の声を聞きやすく、ブランド認知や信頼性向上につながります。
4.オウンドメディア
オウンドメディアは、自社で運営するWebサイトやブログのことで、自由に情報を発信できる点が特徴です。訪問者は特定の情報を求めてアクセスするため、じっくりとコンテンツを読んでもらいやすいというメリットがあります。
運営には手間がかかるものの、コンテンツが蓄積されるので、成功すれば企業の資産となります。長期的なビジネス効果を目指して、活用する企業が増えています。
5.チャットボット
チャットボットは、自動応答システムのことで、24時間いつでも顧客対応が行えるツールです。顧客からの質問にすばやく回答することで、顧客満足度の向上や、問い合わせ対応の効率化が期待できます。
顧客対応を自動化することで、担当者の負担を軽減し、人件費も削減できます。最近では、AIを搭載した高度なチャットボットも普及しており、さらに柔軟な対応が可能になっています。
6.メールマガジン
メールマガジンは、見込み顧客や既存顧客に直接情報を届ける手法です。定期的な配信を通じて信頼関係を築き、興味や関心を引き出すことができます。
とくに、既存顧客へのフォローやリピート購入を促進する際に効果的です。メールの内容やデザインには工夫が必要ですが、適切に設計されたメールは高い成果をもたらすでしょう。
7.ウェビナー
ウェビナーは、オンラインで行うセミナーです。参加者は会場に行かなくても、場所を選ばずアクセスできるため、ユーザーを広く集めやすい手法です。企業認知の向上やリード獲得の手段としても人気があります。
さらに、録画を活用して、後から視聴できるコンテンツとして提供することも可能です。コストが比較的かからず、手軽に導入できるため、多くの企業が採用しています。
8.MA(マーケティングオートメーション)
MA(マーケティングオートメーション)は、顧客情報の管理や見込み顧客の育成を効率化するツールです。問い合わせや展示会、セミナーで企業が獲得した見込み顧客を育成し、受注確度を高めて営業部門に渡すまでの流れを仕組み化します。
具体的には、顧客の興味や行動に応じた「メール配信」や「リスト管理」を自動化して、業務負担を軽減できます。適切な運用により、人的リソースを節約しつつ、より戦略的なマーケティング施策が実現します。
まとめ
デジタルマーケティングの運用で、さまざまなコンテンツやツールを通じて顧客と接点が持てるようになります。それと同時に、導入するうえでの課題も表面化してきています。デジタルマーケティングの市場規模は拡大しており、全体像を理解しておくことは、今後の変化に対応するためにも重要です。
ただし、デジタルマーケティングというと、コストの高さや運用人材、専門知識の不足という課題が挙げられ、導入を躊躇する企業も多いのが現状です。そこでクラウドサーカスでは、「安価で、簡単に、使いこなせる、統合的なマーケティングSaaS」をコンセプトに、多彩なプロダクトを開発しています。
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この記事を書いた人
クラウドサーカス株式会社 マーケティンググループ
CMS BlueMonkeyメディア編集部
プロフィール
2006年よりWeb制作事業を展開し、これまで2,300社以上のデジタルマーケティング支援を行ってきたクラウドサーカス株式会社のメディア編集部。38,000以上のユーザーを抱えるデジタルマーケティングツール「Cloud CIRCUS」を提供し、そこから得たデータを元にマーケティング活動を行っている。SEOやMAツールをはじめとするWebマーケティングのコンサルティングが得意領域で、目的から逆算した戦略的なCMS導入・Web制作や運用のサポートも実施。そこで得たノウハウや基礎情報を、BlueMonkeyのコラムとしても発信中。
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