BtoBコンテンツマーケティングのフレームワークとKPIの設定
最終更新日:2024/10/22BtoBコンテンツマーケティングを成功させるためには、効果的な戦略と明確なKPI(重要業績評価指標)の設定重要です。適切なフレームワークを用いることで、潜在顧客に価値ある情報を提供し、信頼を築き、最終的に見込み客を「顧客」に転換することが可能です。
本記事では、BtoBコンテンツマーケティングの基本的なフレームワークと、KPIの設定方法について詳しく解説します。これにより、マーケティング活動を効率化し、継続的な成果を上げるための基盤を築く手助けとなるでしょう。成功事例や具体的な実践方法も交え、効果的なマーケティング戦略の構築方法を学んでいきます。
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目次
BtoBコンテンツマーケティングの重要性とフレームワークの役割
BtoBコンテンツマーケティングは、長期的な顧客関係の構築と維持に不可欠です。
潜在顧客に対して有益な情報を提供し、製品やサービスへの信頼と関心を高めリード獲得へ繋げることが目的となることが多いでしょう。
コンテンツマーケティングのフレームワークは、マーケティング戦略の方向性を定め、一貫性のあるメッセージを通じてブランドの価値を伝えるための基盤となります。
効果的なフレームワークは、目標の設定、ターゲットオーディエンスの分析、コンテンツの計画と配信、成果の測定と最適化を包括的にカバーすることができるためしっかりとおさえましょう。
BtoBコンテンツマーケティングフレームワークの基本構造
効果的なBtoBコンテンツマーケティングフレームワークの基本構造は、戦略の明確化、コンテンツの計画と実行、測定と最適化の三つの柱に分けられます。
まず、ビジネス目標とマーケティング目標の整合性を図り、これを達成するためのコンテンツ戦略を策定します。
次に、ターゲットオーディエンスに響くコンテンツを計画し、様々なチャネルを通じてこれを配信します。最後に、設定したKPIを基に成果を測定し、データに基づいて戦略を継続的に最適化していきます。
以上が基本構造です。ターゲットを理解し、売り上げに繋がる導線設計が重要なポイントです。
BtoBコンテンツマーケティングで使えるフレームワークをご紹介
BtoBコンテンツマーケティングには、効果的な戦略を立てるためにさまざまなフレームワークが存在しています。
これらのフレームワークは、企業がコンテンツの企画、制作、配信、分析を体系的に行うためのものなので必要に応じて活用しましょう。何から始めたらいいかわからない場合、まずは型にはめてみることから始めることをおすすめします。
下記にコンテンツマーケティングで使えるフレームワークを簡単にご紹介します。概念から知っていきましょう。
TOFU, MOFU, BOFUフレームワーク
TOFU (Top of the Funnel)、MOFU (Middle of the Funnel)、BOFU (Bottom of the Funnel) フレームワークは、顧客の購買プロセスを三つの段階に分けたモデルのことをいいます。
TOFUでは認知を高め、MOFUで評価や検討を促し、BOFUでは購買決定を促します。
このフレームワークは、異なる購買段階にある顧客への適切なアプローチ方法を企業に提供し、マーケティング戦略の効果を最大化させるために用いられます。
TOFU (Top of the Funnel)
潜在顧客の認知度を高め、興味を引く段階です。ここでは、業界のインサイトやトレンドに関するブログ記事、インフォグラフィック、無料のeBookなどが効果的です。
MOFU (Middle of the Funnel)
評価や検討が行われる段階で、顧客の問題解決を助けるコンテンツが必要です。ケーススタディ、ホワイトペーパー、ウェビナーなどが適しています。
BOFU (Bottom of the Funnel)
購買決定が行われる段階で、製品やサービスの具体的な価値を示すコンテンツを提供します。製品デモ、顧客証言、詳細なプロダクトガイドが有効です。
RACEフレームワーク
RACEフレームワークは、Reach(到達)、Act(行動)、Convert(転換)、Engage(関与)の4段階で構成されるデジタルマーケティング戦略モデルです。このフレームワークは、潜在顧客との最初の接触からリードの獲得、顧客への転換、そして長期的な関係構築に至るまでのプロセスを体系的に管理し、最適化するために用いられます。
Reach | ターゲットオーディエンスにリーチし、認知度を高める段階です |
---|---|
Act | 興味を持った潜在顧客を具体的なアクションへと促します |
Convert | アクションを取った潜在顧客をリードや顧客に変換します |
Engage | 継続的な関係構築を通じて、顧客のロイヤルティを高めます |
PESOモデル
PESOモデルは、Paid Media(有料メディア)、Earned Media(獲得メディア)、Shared Media(共有メディア)、Owned Media(所有メディア)の4つのメディアタイプを統合したコミュニケーション戦略フレームワークです。
このモデルは、異なるメディアチャネルを通じてブランドのメッセージを効果的に伝え、ターゲットオーディエンスとのエンゲージメントを最大化するために使用されます。
マーケティングとPR活動のシナジーを生み出し、全体的なブランド戦略を強化することが可能なフレームワークです。
Paid Media |
広告やスポンサーシップなど、対価を支払って使用するメディア |
---|---|
Earned Media (獲得メディア) |
プレスリリースや口コミにより自然に獲得するメディア |
Shared Media (共有メディア) |
ソーシャルメディアなど、ユーザー間で共有されるメディア |
Owned Media (所有メディア) |
自社ウェブサイトやブログなど、企業がコントロールするメディア |
ターゲットオーディエンスの理解とペルソナの作成
BtoBコンテンツマーケティングを成功させるには、見込み顧客(ターゲットオーディエンス)の深い理解が最も重要と言って過言ではありません。
理想的な顧客像、すなわちバイヤーペルソナを作成することで、マーケティング活動がより可視化されます。
ペルソナは、潜在顧客の業界、役職、課題、ニーズ、購買行動など、具体的な特性を反映した架空のプロファイルのことです。
これを基に、各ペルソナに合わせたカスタマイズされたコンテンツを企画・提供することで、エンゲージメントを高め、最終的にはコンバージョン率の向上、商談獲得を目指します。
ペルソナの作り方
ペルソナの作成は、BtoBコンテンツマーケティング戦略において、見込み顧客を深く理解し、効果的にアプローチするための基礎になります。
以下は、わかりやすいペルソナの作成手順なのでぜひ試してみてください。
1. データ収集
ペルソナ作成の第一歩は、顧客に関するデータを収集することです。
既存の顧客データベース、市場調査、ソーシャルメディアの分析、および直接的な顧客インタビューから得られます。
具体的な情報には、業種、企業規模、役職、ビジネスの課題、購買決定に影響を与える要因などが含まれてきます。
2. セグメントの特定
収集したデータを基に、類似の特徴やニーズを持つグループにセグメント化します。このプロセスは、ターゲットオーディエンス内で顕著な傾向やパターンを識別するのに役立ちます。
3. ペルソナのプロファイル作成
各セグメントに基づいて、具体的なバイヤーペルソナのプロファイルを作成します。プロファイルには、架空の名前、職業、業界、役職、職務内容、ビジネスの課題、情報収集の方法、購買決定への影響要因など、詳細な情報を含めることが大切です。
これにより、ペルソナはよりリアルなキャラクターとして想像しやすくなります。
4. ニーズと課題の特定
ペルソナごとに、彼らが直面している主要な課題とニーズを特定します。これは、ペルソナが解決を求めている具体的な問題や、彼らの業務を改善するためのニーズを理解するために不可欠です。
5. コンテンツ戦略の適用
最後に、各ペルソナのニーズと課題に対応するコンテンツを企画します。
このステップでは、ペルソナが最も関心を持つであろうトピック、彼らが情報を収集するプラットフォーム(媒体)、コンテンツのフォーマット(ブログ、ビデオ、ホワイトペーパーなど)を決めます。
ペルソナの作成により、BtoBマーケティングチームはターゲットオーディエンスに対してよりパーソナライズされたアプローチを取ることが可能になり、エンゲージメントの向上、リードの質の改善、最終的なコンバージョン率の向上に繋がります。
ペルソナは、見込み顧客の変化に応じて定期的に見直しと更新が必要なのでやりっぱなしがないように気をつけましょう。
BtoBコンテンツマーケティングのKPIの種類
ここまではBtoBコンテンツマーケティングのフレームワークについてご紹介しましたがここからはそのフレームワークを用いた後実行する際の目標についてご紹介します。
1.トラフィック関連KPI
ウェブサイト訪問者数:コンテンツがどれだけの関心を引いているかを示します。
ページビューまたはセッション:特定のコンテンツが受ける注目度を測ります。
2.エンゲージメント関連KPI
平均セッション時間:ユーザーがコンテンツとどれだけの時間を過ごしているか。
バウンス率:訪問者がページを閲覧した後、すぐに離脱してしまう割合。
3.コンバージョン関連KPI
リード獲得数:コンテンツを通じて獲得した見込み顧客の数。
コンバージョン率:訪問者がリードや顧客に変換される割合。
商談転換率:コンバージョンしたリードがどのくらいの割合で商談に繋がっているのか。
4.収益関連KPI
ROI (投資収益率):コンテンツマーケティングに投じた投資に対する収益の割合。
顧客獲得コスト(CAC):新規顧客一人当たりにかかったコスト。
商談獲得コスト:商談1件当たりにかかったコスト。
受注数値:実際にコンテンツマーケティングを経由して発生した商談の受注数とその売り上げ。
KPIを設定する時の注意点
ビジネス目標との整合性:KPIを設定する際には、それがビジネスの全体目標にどのように貢献するかを明確に理解することが重要です。KPIは戦略的な目標達成のための手段であるため、どの部分にヒットするのかを把握することは大切です。
測定可能性:選択するKPIは、具体的で測定可能なものでなければなりません。データ収集が困難または不可能な指標は避けるべきです。
関連性:選ばれたKPIが現在のマーケティング戦略やキャンペーンに直接関連していることを確認してください。関連性のないKPIは、誤解を招く可能性があります。
定期的なレビュー:市場の変化やビジネスの成長に伴い、KPIは定期的に見直しと更新が必要です。設定したKPIが適切であるかを常に評価し、必要に応じて調整しましょう。
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ワークフレームを用いて最適なコンテンツで目標(KPI)をしっかり追うことが大切
BtoBコンテンツマーケティングを最初から成功させようというのは、とても難しいことです。、
しかし、すでに世の中にある成功への道とも言えるワークフレームを元にコンテンツを作成することで失敗する道を避けることはできます。
コンテンツマーケティングは成果が出るまでに時間がかかる施策です。そのため辛抱強く正しい KPI を設定し、事業に合わせた数字の目標を掲げることが大切です。
今回紹介したワークフレームはその一部でしかありません。自社に最適なワークフレームが今後見つかるかもしれません。
コンテンツマーケティングを実施する際は情報収集に力を入れ最新情報だけでなく最適な情報を集めるようにしましょう。
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これまで2,300社以上のマーケティング支援に携わったノウハウと自社での経験を活かして、BtoB企業向けの成功ロードマップ「DPOメソッド」を作成しました。
この記事を書いた人
クラウドサーカス株式会社 マーケティンググループ
CMS BlueMonkeyメディア編集部
プロフィール
2006年よりWeb制作事業を展開し、これまで2,300社以上のデジタルマーケティング支援を行ってきたクラウドサーカス株式会社のメディア編集部。38,000以上のユーザーを抱えるデジタルマーケティングツール「Cloud CIRCUS」を提供し、そこから得たデータを元にマーケティング活動を行っている。SEOやMAツールをはじめとするWebマーケティングのコンサルティングが得意領域で、目的から逆算した戦略的なCMS導入・Web制作や運用のサポートも実施。そこで得たノウハウや基礎情報を、BlueMonkeyのコラムとしても発信中。
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