ウェブアクセシビリティとは?義務化の有無や対応する意味、具体例ついて解説

本記事では、ウェブアクセシビリティとは何か、標準規格や義務化の現状について解説します。また、ウェブアクセシビリティに取り組む社会的意義や企業メリット、具体的なチェックポイントと対応例も詳しく紹介。
アクセシビリティチェックで役立つツールや、今後想定される義務化に向けて必要な準備についてもまとめていますので、企業のWeb担当者の方はぜひ参考にしてください。
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ウェブアクセシビリティとは
ウェブアクセシビリティとは、障がいの有無や年齢、利用環境の違いなどに左右されずに、誰もが等しくWebサイトやWebサービス、Webアプリケーションを利用しやすい状態のことを指します。
冒頭でご紹介したティム・バーナーズ=リー(Timothy "Tim" John Berners-Lee)氏は、イギリスの計算機科学者でした。World Wide Webで使用される各種技術の標準化を推進するためにW3C(World Wide Web Consortium)も設立しました。WWW(World Wide Web)を初め、URLやHTTP、HTMLの最初の設計を行った人物です。彼の言葉に、次のようなものがあります。
The power of the Web is in its universality. Access by everyone regardless of disability is an essential aspect.
障がい者を含む、すべての人にとって使えることが、Webの本質であるということを言っているのです。
ウェブアクセシビリティに関する標準規格
ウェブアクセシビリティを確保するためには、「何を基準にすればよいのか」を示すガイドラインの存在が欠かせません。現在、ウェブアクセシビリティに関する基準は、国際的な標準規格から日本国内の規格まで複数存在しており、それらを指針として対応が進められています。
ここでは国際基準であり、世界的に最も広く採用されている「WCAG 2.2」と、日本の規格である「JIS X 8341-3:2016」について解説します。
WCAG 2.2(国際標準)
WCAG(Web Content Accessibility Guidelines)は、ウェブ技術の標準化を担う国際団体 W3C(World Wide Web Consortium) によって策定された、ウェブアクセシビリティに関する国際的なガイドラインです。
ウェブコンテンツを、より多くの人が利用できるようにするための具体的な推奨事項がまとめられており、現在では世界中で「事実上の標準」として位置づけられています。
WCAG 2.0は、2012年に国際規格 ISO/IEC 40500:2012 として正式に制定され、その後も社会や技術の変化に合わせて継続的に改訂が行われてきました。最新バージョンである WCAG 2.2 では、以下のような観点がさらに強化されています。
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上記の強化によって、より多様な利用者のニーズに対応したアクセシビリティ基準となっています。また、WCAGは、ウェブコンテンツが満たすべき要件を、次の4つの基本原則に基づいて定義しています。
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これらの原則ごとに「達成基準」が定められており、対応のレベルは次の3段階に分類されています。
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多くの企業や自治体では、現実的な対応範囲として レベルAAへの準拠 を目指すケースが一般的です。
JIS X 8341-3:2016(日本の規格)
JIS X 8341-3:2016は、正式には「高齢者・障害者等配慮設計指針−情報通信における機器、ソフトウェア及びサービス−第3部:ウェブコンテンツ」という名称を持つ、日本国内のウェブアクセシビリティ規格です。
なお、日本の規格である JIS X 8341-3:2016 は、技術的には WCAG 2.0(ISO/IEC 40500:2012)と同一内容となっています。WCAG 2.2 は国際的な最新ガイドラインですが、現時点で JIS 規格として正式に反映されているのは WCAG 2.0 ベースの内容です。そのため、日本国内でのアクセシビリティ対応においては、JIS X 8341-3:2016 を基準としつつ、必要に応じて WCAG 2.2 の考え方を参考にする形が一般的です。
また、2024年4月の障害者差別解消法改正により、民間事業者にも合理的配慮の提供が法的義務となりました。ただし、これは すべてのウェブサイトに対して一律にアクセシビリティ対応を義務付けるものではありません。
ウェブアクセシビリティへの対応は、障害のある人から配慮を求められた際などに、事業者が状況に応じて対応を検討するための「環境整備」の一つと位置づけられています。その指針として、JIS X 8341-3:2016 が実務上の参考基準として活用されています。
ウェブアクセシビリティが義務化されるってホント?
「ウェブアクセシビリティが義務化される」と聞いた方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、結論からいうと、日本ではウェブアクセシビリティの義務化に関する具体的な法規制は、2026年1月現時点では存在していません。
「義務化」という言葉が話題になった背景には、2024年4月に施行された障害者差別解消法の改正があります。 同法律は、障がいを持つ人々が社会のさまざまな分野で差別を受けることなく、誰もが等しく参加できる社会を実現することを目指して作られたものです。
2024年4月の改正により、これまで努力義務とされていた民間事業者による「合理的配慮の提供」が、法的義務へと変更されました。この変更により、「合理的配慮をしなければならない」という点が強調されたことで、「ウェブアクセシビリティも義務化されたのではないか?」という認識が広がりました。
重要な点として、障害者差別解消法は、すべてのウェブサイトに対して事前にアクセシビリティ対応を義務付ける法律ではありません。
合理的配慮とは、
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そのため、ウェブアクセシビリティ対応が常に必須になるわけではなく、あくまで「求めがあった場合に、適切に検討・対応できる状態を整えておくこと」が重視されています。
一方、米国では、「リハビリテーション法508条」により、連邦政府機関のWebサイトや電子情報技術が、障がいを持つ人々にとってアクセスしやすいものであることが義務付けられています。また、EUでは2025年6月から「欧州アクセシビリティ法(European Accessibility Act:EAA)」が適用され、一定の条件下で民間のECサイトやデジタルサービスも対象となります。そのため、日本企業であっても、EU市場向けにECサイトやサービスを提供している場合は、EAAへの対応が必要になるケースがあります。
このように、世界に目を向けてみると、ウェブアクセシビリティ義務化の動きが高まっていることがわかります。
日本でもウェブアクセシビリティが義務化される可能性は、十分にあります。そのため、ウェブアクセシビリティは「義務だからやるもの」ではなく、利用者の多様性に配慮し、リスクを減らし、将来に備えるための取り組みとして、早い段階から意識しておくことが重要だといえるでしょう。
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ウェブアクセシビリティ対応の社会的意義
ウェブアクセシビリティの向上は、単なる技術的な対応にとどまらず、誰一人取り残されない、人に優しいデジタル社会を実現するための重要な取り組みです。
現代社会において、ウェブサイトは重要な情報源であり、社会生活を営む上でなくてはならないインフラの一つとなっています。そのため、ウェブアクセシビリティの確保は、幅広い利用者の社会参加を支えるうえで大きな意味を持ちます。ここでは、ウェブアクセシビリティ対応が持つ代表的な3つの社会的意義について紹介します。
デジタルデバイド(情報格差)の解消
デジタルデバイドとは、インターネットやコンピュータなどの情報技術を利用できる人とできない人との間に生じる情報格差のことです。ウェブアクセシビリティに配慮されていないサイトでは、障害のある人や高齢者が情報取得やオンライン手続きを行えず、社会生活において不利な立場に置かれる可能性があります。
日本には身体障害者手帳を持つ人だけでも400万人以上いるとされており、アクセシビリティの確保は社会的公平性の観点からも重要です。誰もが必要な情報にアクセスできる環境は、教育・雇用・行政サービスへの平等な参加につながります。
災害時の避難情報や医療情報など「セーフティネット」の確保
ウェブアクセシビリティの確保は、緊急時や災害時における情報伝達の面でも大きな役割を果たします。災害時に避難場所などの必要な情報を得られない状況となれば、生命の危機に直面するおそれさえあります。
緊急時には、すべての人が迅速かつ正確に情報を入手できることが生命や安全を守るために不可欠です。しかし、視覚障害のある人が画像のみの情報を読み取れなかったり、聴覚障害のある人が音声のみの案内を受け取れなかったりする状況は、現実に起こり得ます。
普段からアクセシブルな情報提供を行うことで、緊急時にも誰もが安全に行動できる社会的セーフティーネットが機能します。
超高齢社会における「持続可能な社会」の実現
日本は急速な高齢化が進む超高齢社会にあり、今後さらにデジタルサービスの利用が不可欠になります。加齢による視力や聴力の低下、操作の難しさを考慮したウェブアクセシビリティは、高齢者が自立した生活を続けるための重要な基盤となります。
アクセシブルなウェブサイトは、行政手続きや医療予約、買い物などを自宅から利用可能にし、生活の質を支えるために欠かせません。また、使いやすい設計はすべての利用者にとって利便性を高めます。
合理的配慮の義務化も踏まえ、企業や社会全体で取り組むことが、持続可能なデジタル社会の実現につながります。
ウェブアクセシビリティの対応で企業が得られるメリット
ウェブアクセシビリティに対応することで得られる主なメリットは、「ユーザーの満足度を向上できる」「ユーザー幅を広げられる」「SEOに効果がある」「ブランディングを向上できる」の4点です。
ユーザーの満足度を向上できる
アクセシビリティ向上の取り組みの中で、明確なナビゲーション、適切なコントラスト比、読みやすいフォントサイズなどを実現できると、障がいを持たないユーザーにとっても利便性が高まります。この結果、ユーザー体験の向上につながり、顧客満足度が高まります。
ユーザー幅を広げられる
アクセシビリティ向上に取り組むことで、従来はアクセスが困難だった障がいを持つユーザーや高齢者などが、WebサイトやWebサービスなどを利用できるようになります。この結果、潜在的な顧客層が拡大します。特に、日本では少子高齢化が進んでいるため、競争優位につながる可能性があります。
SEOに効果がある
アクセシビリティ向上に取り組むことで、検索エンジン最適化(SEO)にもつながります。
なぜなら、アクセスしやすいWebサイトは、構造が整っており、コンテンツが適切にマークアップされているからです。Googleをはじめとする検索エンジンは、ユーザーフレンドリーなWebサイトを高く評価する傾向にあります。
この結果、検索結果の上位に表示されることで、より多くのユーザーに利用してもらえます。
ブランドイメージを向上できる
ウェブアクセシビリティの向上に取り組み、その姿勢を社内外にアピールすることで、社会的責任(CSR)を果たしている企業としての評価が高まり、ブランドイメージの向上につながります。さらに、こうした取り組みは、顧客や取引先、求職者などのステークスホルダーからの信頼を高めることも期待できます。
ウェブアクセシビリティのチェックポイントと対応の具体例
ウェブアクセシビリティ向上のための対応方法・チェックポイントとして主なものに、「コンテンツの構造化」「色彩への配慮」「テキストのフォントサイズとスタイル」「キーボードだけで操作できるようにする」「環境依存文字や記号をできるだけ使用しない」「画像には代替テキストを付ける」「リンクであることを認識しやすくする」「映像コンテンツには字幕をつける」の8つがあります。
コンテンツの構造化
視覚障がい者など、スクリーンリーダーを使用するユーザーの利便性を高めるために、コンテンツが、明確に構造化されていることが重要です。たとえば、見出しタグ(H1、H2など)の適切な使用や、リストのマークアップ、セクションの論理的な分割などが挙げられます。
色彩への配慮
テキストと背景のコントラスト比を高くしましょう。コントラスト比が高ければ、視覚障がいを持つユーザーや視力の低下した高齢者だけでなく、すべてのユーザーにとってテキストが読みやすくなります。
また、アイコンやグラフを設置する際は、アイコンの形を変えたり、異なるグラフでは装飾を加えたりして、色だけでない情報を補足しましょう。
テキストのフォントサイズとスタイル
テキストのフォントサイズとスタイルは、読みやすいものを使いましょう。さらに、専門用語や略語を使用する際は、必要に応じて解説を加えましょう。
キーボードだけで操作できるようにする
視覚障がい者でマウスポインタが見えないユーザーや、身体障がいなどを持つユーザーなどが利用しやすいように、キーボードだけで完全に操作できるように設計しましょう。
環境依存文字や記号をできるだけ使用しない
環境依存文字や特殊な記号の使用は、基本的に使用しません。
音声読み上げソフトで正しく読み上げられないだけでなく、一部のユーザーが利用しているOSやブラウザでは正しく表示されないことがあるためです。
画像には代替テキストを付ける
画像には、その内容を説明する代替テキスト(alt属性)を必ず付けます。
これで、画像を直接、見ることができない視覚障がい者などが、スクリーンリーダーを使用して画像の内容を理解できるようになります。
リンクであることを認識しやすくする
色覚障がいのあるユーザーなどでも、リンクであることを認識しやすいよう、下線などを用いて工夫することが大切です。
映像コンテンツには字幕をつける
主に聴覚障がい者向けに、映像やオーディオコンテンツには、字幕や音声解説を付けましょう。これで、より広いユーザーがコンテンツを利用できるようになります。
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ウェブアクセシビリティのチェックに役立つガイドライン・ツール
ウェブアクセシビリティに適切に対応するためには、信頼できるガイドラインをもとに、段階的かつ体系的にチェックを行うことが欠かせません。日本では、国の機関や専門組織が、これから取り組みを始める方から実務を担う担当者までを対象に、実践的なガイドラインや支援ツールを公開しています。
ウェブアクセシビリティのチェックに役立つガイドライン
ウェブアクセシビリティ対応では、JISやWCAGなど複数の規格や基準を理解する必要があり、専門的で難しいと感じられることも少なくありません。その結果、正しい意図を理解しないまま対応を進めてしまったり、必要以上の対策を講じてしまったりするケースも見受けられます。
こうした課題に対応するため、日本国内では実務に即したわかりやすいガイドラインが整備されています。以下ではデジタル庁の「ウェブアクセシビリティ導入ガイドブック」と、総務省の「みんなの公共サイト運用ガイドライン」を紹介します。
デジタル庁|ウェブアクセシビリティ導入ガイドブック
「誰一人取り残されない、人に優しいデジタル化」を実現する取り組みの一つとして、デジタル庁がウェブアクセシビリティ初心者向けに公開したガイドブックがあります。
ウェブアクセシビリティの考え方や、取り組み方のポイントについて、ウェブアクセシビリティに初めて取り組む行政官の方や事業者向けに解説されています。ガイドブックは、デジタル庁のWebサイトからダウンロード可能です。
総務省|みんなの公共サイト運用ガイドライン
総務省が提供する「みんなの公共サイト運用ガイドライン」は、国や地方公共団体のウェブサイトを対象に、アクセシビリティに配慮した運用を行うための実践的な指針です。
公共サイトは、行政情報や各種手続きを提供する社会インフラであり、すべての人が平等に利用できることが求められます。本ガイドラインでは、JIS X 8341-3:2016に基づいた対応方法をはじめ、ウェブアクセシビリティ方針の策定、試験の実施方法などが具体的に解説されています。2024年版では、より実務に即した内容が整理されており、民間事業者にとっても参考となる資料です。
ウェブアクセシビリティのチェックに役立つツール
チェックツールを活用すれば、上記のようなポイントを自動でチェックして知らせてくれます。作業の手間と時間を削減でき、見落としもなくせます。有料のツール、無料のツールから、代表的なものをご紹介いたします。
WAVE(Web Accessibility Evaluation Tool)

WAVEは、ウェブアクセシビリティの問題を視覚的に報告してくれる無料のツールです。
WebサイトのURLを入力するだけで、エラー、警告、およびアクセシビリティに関連する特徴を示すレポートが生成されます。
WAVEを活用すれば、Webサイトの各ページにおけるアクセシビリティ問題を迅速に特定し、具体的な改善策を提案してくれます。
サービスは英語で提供されており、日本語対応はしていませんが、サマリーも詳細も簡単な英語で表現されているため、直感的に理解できるでしょう。
AXE(Accessibility Engine)

AXEは、開発者がウェブサイトのアクセシビリティ問題を検出し、修正するのを助けるためのツールです。ブラウザの拡張機能として利用できます。
国際的なアクセシビリティ基準に基づいた分析は、コードレベルで詳細に表示されます。
また、改善のための具体的な方法を提示してくれます。
参照元:Axe Platform | Full suite of accessibility testing tools
Lighthouse(Google)

Lighthouseは、Googleが提供するChromeの機能の一つです。パフォーマンス、アクセシビリティ、ウェブアプリの最適化など、ウェブサイトの様々な側面を評価するための自動化ツールです。Google Chromeの開発者ツールに組み込まれており、無料で利用することができます。
アクセシビリティに関しては、ウェブサイトがWCAG 2.0や2.1の基準をどの程度、満たしているかをチェックし、改善点を報告してくれます。
ウェブアクセシビリティ上の問題が見つかった場合は、それぞれの問題についての説明、問題が発生している要素、問題の解決方法についての情報が提供されるため、改善方法に悩まずに済みます。ただ、すべてのアクセシビリティ要件を検出するわけではない点に注意が必要です。
ウェブアクセシビリティに関するよくある誤解
ウェブアクセシビリティの向上に取り組む際、適切なやり方がわからないままに、間違っている対応の踏襲、不要・過剰な対応、不適切な対応をしてしまうことがあります。ここでは、ウェブアクセシビリティに関してよくある誤解について解説します。
「補助機能ボタン」の設置に関する誤解
ウェブアクセシビリティ対応として、「文字サイズ変更」や「音声読み上げ」などの補助機能ボタンを設置すれば十分だと考えられがちですが、これは必ずしも適切とは言えません。表面的な機能追加だけでは、根本的な課題が解決されない場合があります。
よくある誤解の例
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また、補助機能ボタンが推奨されない理由は、ブラウザやOSに標準の支援機能が既に備わっており、多くの利用者がそれを使いこなしているためです。独自機能は支援技術と競合し、二重読み上げなど逆に使いづらくなる場合もあります。
重要なのは補助機能の追加ではなく、JISやWCAGに準拠した構造設計や代替テキスト、キーボード操作への対応といった本質的なアクセシビリティ対応です。
「自動チェックツール」に関する誤解
自動チェックツールは、ウェブアクセシビリティ対応において有効な手段の一つですが、それだけで完全な対応ができると考えるのは誤解です。自動チェックツールは技術的な不備の検出に有効ですが、内容の適切さや文脈、実際の使いやすさまでは判断できません。リンク文言や見出し構造、情報の伝わりやすさなどは、人による確認が不可欠です。
多くの専門ガイドラインでは、自動チェックに加え、目視による確認や支援技術を用いた検証、可能であれば障害当事者による評価を組み合わせた、多角的なチェックを推奨しています。
「アクセシビリティ」と「ユーザビリティ」の関係
アクセシビリティとユーザビリティは混同されやすいものの、役割は異なり、かつ相互に関連しています。アクセシビリティは、年齢や障害、利用環境にかかわらず「誰もが情報やサービスを利用できるか」という到達度を示す概念です。一方、ユーザビリティは、特定の利用者が目的を「どれだけ効率的かつ快適に達成できるか」という使いやすさや満足度を指します。
アクセシビリティを確保するために構造や表現を整理すると、情報が探しやすくなり、操作も直感的になります。その結果、すべての利用者にとってのユーザビリティ向上や、多言語対応時の翻訳精度向上にもつながります。
デジタル庁の「ウェブアクセシビリティ導入ガイドブック」は、こうした考え方をわかりやすく解説しており、正しい理解のもとで無理なく改善を進めるための参考資料として有用です。
ウェブアクセシビリティ義務化に向けて取り組んでおくべきことは?
ウェブアクセシビリティの確保は一時的な対応ではなく、継続的な取り組みが必要です。ここでは、ウェブアクセシビリティ義務化に向けて取り組んでおくべき具体的な施策について解説します。
ウェブアクセシビリティに関する知識の社内浸透を進める
ウェブアクセシビリティを組織として浸透するには、担当者だけでなく、経営層から制作・開発に関わる全員が基本的な考え方を共有することが重要です。研修や勉強会では、デジタル庁の「ウェブアクセシビリティ導入ガイドブック」を活用することで、専門知識がない人でも理解しやすく学べます。
また、障害当事者が実際に支援技術を使ってサイトを利用する様子に触れることで、重要性を実感できます。さらに、経営層・企画・デザイナー・エンジニア・コンテンツ制作者など、役割ごとに求められる視点を整理し理解を深めることが、社内全体への浸透と継続的な取り組みにつながります。
ウェブアクセシビリティの改善計画を立てておく
ウェブアクセシビリティの改善は、一度に完璧を目指すのではなく、計画的に進めることが重要です。JIS X 8341-3:2016では、PDCAサイクルによる継続的な改善が推奨されています。
まずはアクセシビリティ方針を策定・公開し、現状を把握したうえで、重要度の高いページから優先的に対応します。達成基準はAからAAへと段階的に設定し、短期・中期・長期の目標と実施内容、期限を明確にすることで、現実的かつ継続的な改善が可能になります。
ウェブアクセシビリティ改善・メンテナンスのための予算と人員確保を行う
ウェブアクセシビリティを確保・維持するには、継続的な取り組みを前提とした予算と人員の確保が欠かせません。初期段階や継続的なコストとしては、以下のような費用が発生するため、事前に見込んでおくことが大切です。
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外注時にはWAICの発注ガイドラインや調達仕様書雛形を活用し、適切な要件定義を行うことが重要です。また、専任担当者の配置や部門横断のチーム体制を整え、必要に応じて外部リソースの活用も検討するとよいでしょう。
ウェブアクセシビリティの定期的なチェックを行う
ウェブアクセシビリティは、一度対応したら終わりではありません。ページの追加や更新、利用者の環境の変化にあわせて定期的に確認し、改善を続けることが大切です。目標とする品質を保つためには、JIS X 8341-3:2016に基づいたチェックを行い、その結果を公開することが望まれます。
自動チェックツールで分かりやすい技術的な問題を早めに見つけると同時に、人の目での確認や、支援技術を使った検証を組み合わせることが重要です。新しいページの公開時や更新時、さらに年に1回以上の定期的なチェックを行い、継続してアクセシビリティの向上に取り組みましょう。
ウェブアクセシビリティ対応のサイト制作・リニューアルならBlueMonkey

BlueMonkeyは、CMSとしての高い拡張性を備え、ウェブアクセシビリティ対応を含めたサイト制作・リニューアルにも対応しています。
単なるホームページ制作にとどまらず、SEOや広告、ホワイトペーパー作成など、集客全体を見据えた提案・支援を行える点が特長です。制作後も継続的なサポートがあり、ページの更新や改善について気軽に相談できる体制が整っています。
また、成果を重視した支援として、導入後のWeb成果を120%以上に高めることを目標に、独自のDPOメソッドに基づいた施策提案を行っています。集客ノウハウを学べる無料の勉強会やワークショップに参加できる点も魅力の一つです。

実際にBlueMonkeyで制作・運用を行った企業では、Webからのお問い合わせ数が平均243%向上しています。興味のある方は、まずは気軽にご相談ください。
詳しくはこちら:BlueMonkey(ブルーモンキー)公式サイト
まとめ
ウェブアクセシビリティは、障害の有無にかかわらず、すべての人がコンテンツを利用できることを意味します。これは、法的義務だけでなく、企業の社会的責任としても重要です。
誰もが平等に情報へアクセスできる社会を実現するうえで、ウェブアクセシビリティの確保は欠かせません。中小企業にとっても、競争力を高めるための貴重な機会となるでしょう。
Webサイトの運営ご担当者様は、この記事で紹介した内容を参考に、ぜひウェブアクセシビリティの向上に取り組んでみましょう。
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この記事を書いた人
クラウドサーカス株式会社 ウェブプロモーション事業部 部長
長谷川 潤
プロフィール
1979年生まれ 福島県出身。アパレル業界でキャリアをスタートし、ECサイトの立ち上げと運用を通じてWebマーケティングの世界へ。その後、デジタルマーケティング領域の専門性を深めるべく、スターティアラボ株式会社(現:クラウドサーカス株式会社)に入社。2009年以降、10年以上にわたりBtoB企業向けのWebサイト構築を手がけ、コンバージョン最大化を軸に多数のプロジェクトを支援。2023年からはウェブプロモーション事業部の責任者として、新規顧客獲得を目指すBtoB企業のマーケティング活動を牽引しています。


