CMSの比較時に意識したい!「自由度」の違いによるメリットやデメリットについて
最終更新日:2024/10/29「自由度の高いCMSを使いたい」
「誰でもWebサイトが更新できるようにしたい」
といった要望は、CMSを導入される際には必ずと言っていいほど入ってきます。ただ、この「自由度」や「誰でも更新できる」といった言葉は曖昧であり、人によって解釈のずれが起こりやすいポイントでもあります。
そこで今回は、CMSの「自由度」や「制約」のメリットやデメリットついて解説し、自社に合ったCMSを選ぶためのポイントもご紹介します。
※弊社のCMSの利用ユーザーはBtoB企業が多いため、内容もBtoB企業に合わせたものとなっておりますので、あらかじめご了承ください。
目次
自由度が高い=誰でも更新できるではない
まずはじめにお伝えしたいこととして、CMSの自由度が高いからと言って「誰でも簡単に更新できる」わけではない、というポイントがあります。自由度が高すぎるCMSは、人によっては不自由を感じさせてしまうこともあるのです。
この”自由すぎることでかえって不自由になる”点については、絵に例えて解説します。絵を描く際に、以下の二つの選択肢が与えられたとします。
・白紙から自由に書く
・すでにあるパーツを組み合わせて色だけをつける
この条件のもと、例えば「馬」の絵を描くとして、絵が得意な人は白紙の状態の方が自由に表現ができるため、クオリティも高くなりますし、本人の満足度も上がります。仮に色やパーツに制約が入ると「物足りない」「自由に描けない」「表現したいこと(やりたいこと)」ができないと不満が生まれかねません。
一方で、例えば筆者のような絵心のない人間が「馬」の絵を描くとなると、ある程度の制約をしてもらったり、パーツ単位で用意してもらった方が、完成度が高くなります。真っ白の紙を渡されても「脚のパーツはどうしよう」「どんな身体の形だっけ」「何となくこの色を使おう」と自身の感覚で仕上げていった結果、お世辞にも上手いとは言えない馬が誕生してしまいます。そのうえ、あれこれ迷っている時間も発生するため、制作時間も長くなってしまいます。
CMSの自由度の違いはこれらと近しい感覚です。管理画面で自由に表現できるといっても、「どうすれば綺麗に見えるのか」「何をすれば成果に繋がるのか」がわからなければ迷いが生じ、時間もかかった上に成果に繋がらない、クオリティも低い、といった状況になりかねません。さらには機能も過多となり、使いこなせず更新ができないのに高い保守費用だけは掛かり続けている、という本末転倒な自体も招きかねません。
一方で、技術やデザインのスキルがある人にとって管理画面や編集画面の自由度の低さはデメリットを感じやすくなるため、白紙から絵を描くような自由度がCMSに求められます。
以上のように、自由度が高いからと言って誰にでも簡単に更新できるわけではなく、一方で限りなく自由なCMSを求めている人も一定数いる、ということをはじめにお伝えしておきます。
CMSの自由度ってどういうこと?
CMSにおける自由度についてもう少し深堀りをしていきます。自由度の高さとは、具体的にどのようなことを指すのでしょうか。この章では2つの視点をご紹介します。
①CMS(管理画面)上で自由度が高い
1つ目はCMS上での自由度が高いパターンです。管理画面上で、自由にブロックを追加したり編集ができる場合に「自由度が高い」と言われます。ドラッグアンドドロップで画像などが投稿できるのはもちろんのこと、枠のサイズやパーツごとの感覚などをカーソルを当てれば編集できるCMSも増えています。
いわゆる「直感操作」と表現されるCMSが該当し、ここ数年でベンダーも増えています。特にデザイナーが管理画面の操作さえマスタ―すれば、自由な表現ができるようになり満足度が高くなりますし、場合によってはそのまま公開もできるためコーディングリソース(構築費用)の削減にも繋がります。
②HTML等ソースコードが触れる
もう1つの自由度の高いCMSについて、管理画面からソースコードが触れるパターンが挙げられます。厳密にいうと本来のCMSの機能外にあたることが多いので、CMSの自由度というよりは「Webサイト運用」の自由度が高いと言った方が正しいかもしれません。
そもそもCMSは知識がない人でもWebサイトを更新するためのものなので、ソースコードで更新するのには不向きです。ただ、エンジニアやコーダーなど「直接コードで調整した方が早い」という方々も一定数います。そのためCMS内でソースコードを限定的に編集できるケースも多々あります。
ソースコードでの作業は自由度が高くなりますが、逆に言えば非技術者にはハードルが高くなるので、限られた人にとっての「自由度が高い」Webサイトだと言えます。
そもそもどうして自由度に違いがあるのか
CMSの自由度についてついて触れてきましたが、ツールによって自由度に違いが生まれる背景についても解説いたします。自社に最適なCMSを選ぶ上で重要な観点なので、ぜひ意識してみてください。
結論、利用ユーザーのニーズやスキルが違うから
結論から申し上げると、CMSは利用ユーザーのニーズやスキルが異なるため、必然的に自由度にも違いが出てきます。
具体的にニーズの例を上げると
・非技術者も含めた社員みんなが、自分たちでWebサイトを更新できるようにしたい。
・デザインのできる担当者がクオリティの高いページを量産して施策を高速で回せるようにしたい。
この2つのニーズを満たすCMSの”自由度”は異なります。前者はある程度の制約がないと、メインの担当者に質問が殺到し業務が進まなくなったり、最悪の場合ページそのものを崩してしまう可能性も。一方で、後者においては制約が大きすぎるとデザイン性の高いページの制作ができなくなるので、課題を解決できなくなってしまいます。
特にBtoB企業あれば、非デザイナー・非技術者のWeb担当者の方が圧倒的に多くなります。弊社のお客様でも、はじめてWeb担当者に任命された方や、別の部署と兼務で仕事をされている方などバックグラウンドは様々ですが、専門性を持っていない方々は大勢います。そのため自由度の高さよりも迷いなく必要な機能へたどり着けるツールとして、「誰でも簡単に更新できるCMS」を目指しているのです。
以上のように、ベンダーがどんなユーザーのどんな課題を解決したいのかによって、CMSの自由度にも差が出てきます。そのため導入検討時には、まずは自社が解決したい課題を明文化し、社内でも共有認識を持っておくとよいでしょう。
CMSの自由度が高いメリット
これまでも一部ご紹介してきましたが、改めてCMSの自由度が高いことによるメリットについて簡単にまとめます。
思い通りの表現ができる
既述の通りなので詳細は割愛しますが、自由度が高ければ高いほど思い通りの表現をしやすくなります。大前提として作業者が高い表現力を持ち、CMSを使いこなせる状態である必要がありますが、慣れてしまえば自社のWebマーケティングにおいて施策を高速を回す頼もしい武器となります。
発注費を抑えられる
デザイン性の高い改修が必要よなり、CMSの機能内では対応できない場合には外部への発注が必要となります。この時に、自由度が高いCMSを使いこなすことができれば、外部に発注せずとも自社で完結できる可能性があります。その場合には発注費がかからなくなるため、コストダウンにつなげることができます。
CMSの自由度が高いデメリット
続いてCMSの自由度が高いことによるデメリットをご紹介します。
担当以外が適切に更新できない(ことがある)
スキル(デザイン・コーディング等)がある一部の担当者”だけ”が更新するには問題ないのですが、属人性が高くなってしまい、その他の人が更新できない問題が発生します。そうなると、仮に担当者が退職してしまったら更新できる人が誰もいない、といった状況にもなりかねません。
また、仮に更新そのものはできたとしても、慣れてない人が様々なパーツを触ってしまい崩してしまったり、デザイナー以外の人が感覚でパーツを作ってしまうことで、ページ全体の見栄えが悪くなることも。
機能が多すぎて無駄が生じる
本来、CMSはWebサイトを運用することで何かしらの目的・目標を達成するためのツールです。そのため、目的達成に繋がらない機能は不要となります。例えばBtoBサイトで商談数を増やすためにCMS上で必要な機能はそれほど多くないのですが、関係のない機能も豊富に揃えられているゆえに機能の把握に時間をとられてしまったり、操作を覚えることに時間がとられてしまったりすることがあります。
もちろんWeb担当者も人間なので、更新のためのモチベーションを上げたりやる気になるようなUXは大切なのですが、集中すべきは良質なコンテンツの発信であったり、何かしらの成果を生む活動であって、あくまでCMSはその手段です。BtoBサイトであれば使うべき機能も限られてくるので、選択肢を絞ることで成果に繋がる施策だけを実施し、ブレずに成果に進むことができます。
CMSに制約があるメリット
続いて、CMSに制約があることによるメリットについてもお伝えします。むしろデメリットが大きいのでは?と思われる方もいらっしゃるかと思いますが、特にBtoB企業がWebサイトを運用する際には制約が多いことによるクリティカルなメリットも存在します。
非担当者にも直接依頼がしやすい
制約が多いメリットとして、「担当者以外が更新する際にも安心」であることが挙げられます。限られた機能で更新の手段もシンプルになるため、簡易的なマニュアルがあれば担当者外であっても更新ができるようになります。
特に、Web担当者以外に事業部のメンバーが直接更新したい場合などは、Webサイトの知識が全くない状態であることが多いため、制約があった方が指示もシンプルになります。
一定のデザイン水準が担保される
CMSで用意されたパーツ集のみを使うことで、一定のデザイン水準を担保することができます。非デザイナーがコンテンツを追加する際にも、適切な幅のパーツをそのまま使用し中身を入れ替えることで、崩れもなく綺麗なレイアウトのコンテンツが制作できます。冒頭でお伝えした、パーツを活用して絵を書いていくようなイメージです。
やるべきことに集中できる
機能に制約があることで、無駄な作業を強制的にできなくなることもメリットの1つです。本来Web担当者が拘るべきは成果になるので、理想は成果に繋がる施策のみを実施することなのですが、様々な機能がついていることで不必要なことにも時間を割くことになりかねません。
特に、まだ知識のない勉強中の段階では試行錯誤をしている時間が無駄なので、ブレないように機能に制約があった方が良いことも。
CMSに制約があるデメリット
続いてはCMSの制約が多いことによるデメリットです。主にデザイナーや技術者向けのデメリットになるのですが、改めてご紹介します。
技術者のスキルを活かしきれない
CMSの制約が多いことで、技術者が実装したいものが実装できず、スキルを活かしきれない。ソースコードも限定的にしか修正ができず、思うような見せ方ができない、しにくいといった問題が発生することも。
デザインや表現に限界がある
自由にデザインをしたり、動きを出したい場合に制約の多いCMSでは対応できないことがあります。特に自社にデザイナーがいる場合は、表現したいものがCMS上では実装できず外注費が発生することも。
自由度と合わせて重要なサポートの種類
ツールの自由度と合わせて確認しておきたいのが「サポート」についてです。自由度の高低に関わらず、何かしらの困りごとは発生するはずなので、その時にサポートが充実していれば安心感に繋がります。
CMSのサポート形態は各社様々ですが、主には以下の3つが挙げられます。
電話サポート
電話窓口によるツールのサポートです。メリットとしては困ったときにすぐに聞ける上に、一緒に画面を見ながら解決することができます。
メール(問い合わせ)サポート
急ぎでない場合や電話が難しい場合は、メールや問い合わせフォームから問い合わせできる場合もあります。その場で解決ができないので一度手が止まってしまいますが、テキストベースで回答をもらえるため後で見返しやすく、ナレッジとしてもためやすくなります。
チャットサポート
最近ではチャットで気軽に質問をできるサポートも増えています。電話とメールの間に位置し、即時性とテキストコミュニケーションの双方のメリットがあります。ただし、必ずしもすぐに返信が来るとは限らないため、ある程度手が止まるのを覚悟する必要があります。
以上のように、サポートといっても手法が様々ですが、自社に詳しい人がいない場合はできる限りサポートの手厚いCMSを選ぶことをおすすめします。逆にサポートに頼らなくてもWebの運用ができる場合は、サポートが少ない方がコストも抑えられることが多いので、そういったCMSを選ぶと良いでしょう。
ノウハウのサポートについて
ここでもう1つ触れておきたいのが、ノウハウのサポートについてです。CMSを活用して成果を出すためには、単にツールを使いこなすだけではなく、Webマーケティングのノウハウも不可欠になります。
例えば、BtoB企業がWebサイトを通じて資料ダウンロードや問い合わせを増やそうとした場合、検索順位を上げるためのCMSの活用や、問い合わせ率を上げるためのコンテンツ運用など、目的に沿ったノウハウが必要になります。そういった機能外のところまでサポートできる会社と、単にツールだけを提供(支援)する会社があるので、自社にとってはどちらが適切かを判断することが重要です。
自由度の高低も大事な視点ですが、運用時にサポートが充実しているかどうかはもっと重要かもしれません。もしもの時に頼りになるベンダーなのかは事前に確認するようにしましょう。
自社に合ったCMSを選ぶことが重要
CMSの自由度についてお話してきました。冒頭でもお話しした通り、自由度が高いことが「誰でも更新できる」に繋がるわけではありません。自由度が高すぎることで、人によっては制約が生まれてしまいます。
大切なのは、自社に合ったCMSを見極めることです。
弊社もいちCMSベンダーではありますが、すべての企業に最適なツールを提供しているわけではありません。そのため担当者によっては機能が物足りなかったり、もっと自由度が欲しかったりもするはずです。ただ、「デジタルマーケティングに詳しい人がいない」「初めてWebサイトを運用する」「とにかくホームページから商談を増やしたい」といった課題を感じている人にとっては、おすすめできるツールとなっています。もしご興味がありましたら、お気軽に資料のダウンロードからお願いいたします。
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